《大型コラボ》十人十色のバレンタイン《歌い手》 (ページ27)

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「おは～A！はい、友チョコ！」

「おはよ、ありがと。…はい、私からも。」

「よっしゃAからのチョコゲット！A料理上手いから楽しみだったんだよね～！」

「普通のチョコブラウニーだよ…。」

この後もいろんな女の子たちとチョコレートを交換した。

これは…食べ終わるまで時間かかりそう…。

もらったものを見てそんなことを考えてると…

「よっす、朝からモテモテだな～お前の幼馴染サン。」

「…あんたもいっぱい持ってんじゃん、志麻。」

隣の席の志麻がやってきた。

そう言って志麻が指差した先には、朝同様に廊下でまたチョコをもらっているセンラが見えた。

私に対する嫌味のように言ってきた志麻も、センラと同じくらいのチョコを腕に抱え込んでる。

そういやこいつもモテるんだった、ほくろのくせに。

「いや～、バレンタインっていい行事だよな！何もせんでもチョコ貰える！俺甘いもん好きやからめっちゃ嬉しいわ～！」

「全国のチョコ貰えなかった男性諸君の前でそれ言ってみ？フルボッコにされるよ。」

今年一番の(今年始まったばっかだけど)キラキラした笑顔で言われて無性にイラッときたためそう返す。

でもまぁ、こんな嬉しい顔されるなら作った人もさぞかし嬉しいだろう。

「で、Aは？友でも義理でもなんでもいいけどくれへんの？」

「……まぁ、いつも相談乗って貰ってるしね…はい。」

「へへっ、サンキュー。今年も持ってきてんだろ？渡せるといいな、本命！」

「…うん。」

志麻の言う通り、今年こそちゃんと渡そう…。

いつまでも逃げてちゃダメだよね。