水のストライカーとイナズマジャパンとの絆！５ (ページ34)

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第120話．芽生えページ34

真剣な彼の視線が、私を硬直させる

めんどくさいこと言っちゃったぁ…

A「い、いやいや!! 泣いてないよ(汗)」

豪炎寺「嘘だろ? さっき涙って」

A「違う! さっきのは、ちょっと話を盛り上げったって言うか…
とにかく泣いてないから!」

それでも心配そうに私を見る
ベラベラ喋りすぎるよ…バカだ、私

豪炎寺「はぁ…俺のせいで、Aが傷ついたんじゃないかと」

A「ぁ…」

ズキ…ーー

痛い…
何か当たったわけでもないのに…

私が変に言っちゃったから、豪炎寺心配した

こういうの、昔から嫌いなんだよ

A「豪炎寺のせいじゃないよ? だからさ、悲しい顔しないで…」

豪炎寺「A…」

A「な?」

豪炎寺は小さく頷いた
心に感じた痛みがスゥ…っと消えていく

よかった…

そこで、私はあることを思い出す

A「あのさ、豪炎寺。ずっと言いたかったんだけど…」

豪炎寺「なんだ?」

A「あの時、きつい事言っちゃってごめん…。豪炎寺のこと、全然解ってなかった…」

豪炎寺「あぁ、そんなことか」

A「へ?」

何も気にしてないのかのように、豪炎寺は言う

そんなことか、って

豪炎寺「別に気にすることじゃないだろ? 俺も悪かったんだ」

「お互い様だ」って、彼は微笑んだ
微かに、頬が熱くなるのを感じる

そして、豪炎寺も何か思い出したように表情が変わった

豪炎寺「お前、父さんのとこに行っただろ?」

A「勝也さんから聞いたんだぁ…」

豪炎寺「あぁ…

………ありがとな」

雲ひとつない夜空は、やけに星が綺麗に見えた
光る月は私たちを照らして、豪炎寺の頬が少し赤くなっていることに気付く

きっと、私も豪炎寺と同じだ…

変な雰囲気になって、急に恥ずかしくなって、

A「っ…私、先に行ってるね…」

目線を下げて、宿舎へと戻った

A「(あ…ボール忘れた…)」

.

＊豪炎寺SIDE＊

『君もそうなんじゃないのか?』

不意に、凉野に言われたことを思い出す

熱くなった頬に手を当てた

空には無数の星が輝いていて、月明かりは綺麗だ

豪炎寺「俺、あいつのこと…」

誰もいないグラウンドで、ボソっと呟く

豪炎寺「あ…ボール忘れて行ったな」

俺の中で何かが芽生えた気がした