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・sm・ ページ9

学パロ
幼馴染

――――

「悪ぃスマイル、遅くなった!……ってなんだ、寝てんのか」
委員会の終わり、待たせているであろうスマイルのために走って彼のホームルーム教室へ向かう。勢いよく教室の扉を開いて声を張ると、窓際の席で気持ちよさそうに寝ている彼の姿を見つけて声を落とした。仕方のないやつだ、と呆れる。
他の奴らは帰ったのか、部活へ向かったのか。とにかくスマイル以外の人物は見当たらなかった。俺は彼の座る席の一つ前に腰かけると、スマホを取り出してその寝顔を写真に納める。相変わらず可愛らしい寝顔だ。思わず頬が緩んでしまうのが自分でもわかった。
窓から差し込む茜色に染まっている柔らかい髪を撫でてやる。キラキラと光を反射しているそれは、元のオリーブ色と混じって綺麗な色になっていた。
ふと自分のスマホで現在の時刻を確認する。映し出されたデジタル時計は午後五時を示している。もうしばらく彼の寝顔を見ていたかった気持ちはあるが、残念ながらそろそろ帰らねばならない。俺は自分の気持ちを押し殺してスマイルの肩を揺さぶった。

――――

「スマイル、スマイルほら、起きろって」
「んぁ……?なに……」
「いつまで寝てんの。もう放課後だぞ」
「……へ」
心地よい、聞き慣れた声と突然頭に来た痛みに顔を上げる。目一杯映る無駄に整った顔。鼻と鼻がくっ付きそうなほどの近さに、顔が熱くなるのがわかった。
「うっ……わ、顔近いわバカ!」
「いや知らねー……。ほら、帰んぞ」
「……今、何時」
「五時。ごめんな、だいぶ委員会が長引いた」
委員会?Aはどこかでそんなことを言っていたのだろうか。全く記憶にはなかったが、通りで来るのが遅いと思ったわけだ。そんなことを思い出していると、Aにいきなりデコピンされた。
「お前、その様子だと聞いてなかったな?」
「うっ……」
言い当てられて思わず目を逸らす。すると彼は溜息をつくように笑ってから俺の手を取った。
「まあ良いけど。それより、帰ろうぜ」
「うん」
彼が立ち上がると同時に手を引かれて俺も立ち上がる。机の横にかけていた鞄を手に取り、既に扉の方へ歩みを進めるAの背を追いかけた。

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色彩 - ハァッ....!!一目惚れしましたはい、好きです(?)なんなんですか!!((お前がだよ))頑張ってください。 (2022年10月3日 16時) (レス) @page9 id: ed0cf3b229 (このIDを非表示/違反報告)
あくあぱっつぁ(プロフ) - 最高です…😇 (2022年9月19日 19時) (レス) @page3 id: 718ffcc258 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あび | 作成日時:2022年9月14日 7時

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