【d!】ガラスの靴が割れた。 (ページ3)

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❥1　シンデレラ※ ページ3

you 視点

「シンデレラ様。ウツ王子がお呼びです。」

『…はい。今行きます。』

メイドさんに扉越しにそう言われた。

午後11時。お風呂にも入り，もう寝ようとしていた頃。
…要件なんて分かっている。私は身だしなみを整え，ウツ様の部屋へ向かう。…まぁ，整えても崩されてしまうのだけれど。

『…ウツ様。シンデレラです。』

ut「あ，入って〜。」

私は今日も笑顔を作る。私の本当の笑顔を人に見せたのはいつ頃前だろうか。少なくとも，ウツ様と結婚してからは無いと思う。

中に入るとバスローブ姿でベットに横たわるウツ様が。
…どうやら，私の予感はまた当たってしまったらしい。

ut「ねぇ，シンデレラちゃん。…シよ？」

私の耳元でウツ様が囁く。

…はぁ，やっぱり。
ウツ様の呼び出しといえば毎回これだ。

『…ええ。いいですよ。』

なんかもう断るのさえ面倒臭くなった。
最初の方は恥ずかしいという理由で断れていたが，一度許してしまったのが運の尽き。それからはもう早ければ2日に一回のペースで求めてくる。

私は部屋の電気を消しに行く。
明るい中でやるなんて耐えられたものじゃない。
羞恥心と自己嫌悪で吐きそうになってしまうから。

『…始めましょ？』

『…はぁ，はぁ。…っ。』

呼吸を乱しながらシャワーで汚れを流す。

体を見ると，沢山咲いた赤い華。元々色白なせいで，それがよく目立つ。

『ゔっ…。』

先程の行為を思い出すだけで吐きそうになる。

ウツ様か愛しているのは私なんかじゃない。私の体だけ。
そんなの…

『分かってるのに…。』

…でも，だからってなんなの？

何処かに逃亡する？私にそんな事ができるの？
実家に帰る？お義母様やお義姉様方が許してくれるはずなんて無い。私の居場所はここしかいのだから。

本当に…どうしてこうなっちゃったの？