13、雑談 ページ13
「お姫様はもういいのか?」
食堂に戻れば神永がにやにや笑いながら話しかけてきた。
「お姫様? 一体誰のことだか」
「何を惚けとるんです? 昨夜、部屋に押し入った暴漢を殆ど伸しておきながら、面倒なゴミ出しだけ他人に押し付け、挙げ句の果てにはヒールで男の睾丸を踏み潰した勇しいお姫様ですよ」
つらつらと嫌味を述べた実井の辛辣さはいつも以上で、まだ昨日のことを根に持っているらしい。
「あー、あれね。あれは朝から強烈だったね」
甘利が横から戯けた調子で口を挟む。
「見てるこっちが痛いっていうか、怖かったというか」
神永が甘利に続いて言った。
「遊び人の神永さんには、他人事ではありませんもんね」
と、実井がにこやかに言ったが、目が笑っていない。神永は苦笑いした。
「にしても白峯の奴、どうして本当のことを言わなかったんだろうな」
波多野が腕を後ろで組みながら上体を反らし言った。
「面倒くさい、と本人は言っていましたが」
三好が椅子に座りながら言った。長い脚を優雅に組んで頬杖をつく。
「やっぱり話してたんじゃん」
甘利が横目で三好を見た。
「まあ、一つ言えることと言えば、」
三好はそこまで言って、わざと言葉を切った。
七人が三好に注目する。
「案外、初心で可愛い、ということですよ」
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枇杷島(プロフ) - 凄く嬉しいです。楽しい作品に出来ているようで安心しました。お褒めのお言葉、ありがとうございます! (2016年9月29日 23時) (レス) id: 841cd86dfc (このIDを非表示/違反報告)
野崎 - 何度見ても面白いし表現が色っぽくてすごいなあと思いながら見てます!更新楽しみにして待ってます。頑張ってください! (2016年9月29日 23時) (レス) id: a382114b2a (このIDを非表示/違反報告)
枇杷島(プロフ) - レンさん» ありがとうございます! 私も誰落ちとかは兎も角、死人は出したくないなって。ご意見、ありがとうございました。 (2016年8月23日 0時) (レス) id: 841cd86dfc (このIDを非表示/違反報告)
レン - 三好オチかどうかは別として生きててほしいです。 (2016年8月23日 0時) (レス) id: 6d1b932390 (このIDを非表示/違反報告)
枇杷島(プロフ) - ありがとうございます!私も悲しい話は苦手なので、生きてる方が良いなと考えてます。 (2016年8月20日 10時) (レス) id: 841cd86dfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:枇杷島 | 作成日時:2016年8月16日 0時