spring.83 ページ36
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それから1週間
望との関係は変わらず気まずいまま
朝も望は迎えにこない
私はいつもと同じ電車に乗ってるのに流星くんにすら会わない
望が来なくなってからはお兄ちゃんと淳太くんが行きも帰りも一緒
今までもなんとなく一緒だったけど途中で離れたりしてたから
きっと2人とも私たちに何かあったことは気付いてる
お兄ちゃん、淳太くん
何も言えなくてごめんなさい
淳「もーすぐ夏休みやな」
ある日の帰り道
淳太くんが口を開く
照「ほんまやなぁ。早いわぁ。
なぁ、今年も海行こな！」
淳「せやな！Aも神ちゃんとかさちちゃんとか誘ったらええやん！」
「あ、うん、そやね」
毎年、お兄ちゃん淳太くん望と行ってた海
今年はさっちゃん達も誘ってみんなで行けると思ったのに
照「しげはうるさいから誘わんとってな？」
「お兄ちゃん、ひどい笑」
淳「A、俺も重岡NGやからな」
「しげちゃんはめちゃくちゃ優しくていい人よ？」
照「A！あかんで！しげだけはあかん！」
「なによそれ笑」
笑って歩く帰り道
変わらない景色
楽しいのに、足りない
昔から学校の行き帰り、遊ぶ時も何する時も4人で
お兄ちゃん達が卒業した後は望と2人で
いつだって私の横には望がいたのに…
淳「A…？
どないしたん？！」
気付いたら涙が溢れてた
「ごめっ…昔のこと思い出してたらっ…懐かしくてっ」
えへへっと笑ってごまかす
照「A、先家入っとき」
気付けば家の前まで歩いていた
お兄ちゃんに押されて半ば無理矢理家の中に入れられる
「あっ、ちょっ」
ガチャン
私の呼びかけも虚しく玄関の扉に吸い込まれていって
溢れる涙を堪えながら自分の部屋に行った
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作者名：みりん x他1人 | 作成日時：2020年4月26日 12時
