spring.75 ページ27
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いつもの時間に望は来なかった
お兄ちゃんやママが
「望寝坊やない？」
「A行ってあげなさいよー」
とか余計なこと言うから
私が望の家に迎えに行くことに
ふぅ。
と一息はいてチャイムを押す
望のママが「Aちゃんやん！」とニコニコ笑顔で迎えてくれる
望ママ「望今日朝練ある言うてもう行ったで？」
って言うから
なんや先行ったんや
てか朝練なんて今まで一回もなかったやん
私も急ぎ足で学校へ向かう
教室に入るとすでに何人かがいて、いつもの席に望もいた
机に突っ伏して寝てるのか、私がいることには気付いてない
よし。
と意を決して望の元へ進む
「望！おはよう！」
望「え？」
私の方に向いた望の顔は目がうっすら赤く腫れてる
ああ。望も泣いたんや
そう思ったら余計に胸が痛くなった
私は笑顔でもう一度言う
「お！は！よ！う！」
望「お、おお。」
望はびっくりして目を見開いて返事をする
「今日朝練やったん？先言っといてやー。いつもの時間に来ないから迎えに行ったんやで？」
望「ご、ごめん」
望の前の自分の席に座って教科書やらを机にしまいながら望に話しかける
「あ、そーだ！はい」
私は市販のチョコをラッピング袋に詰めたものを渡す
「例年通り当日は渡せなかったので一日遅れのバレンタイン」
望「あー、ありがと…」
「なんやねん。嬉しくないん？あげへんで？」
一度渡した袋を取り上げて自分の方に引くと
望「ごめんごめん！いるから！いるいる！」
焦った望にニヤッと笑って
「大事に食べやー」
と伝えてまた渡す
望「市販チョコ詰め合わせやん」
驚いていた望も私の調子に合わせて普通通りにしてくれた
そのあと、休み時間に岡田くんを呼び出して告白の返事をした
望に「断ったで」と伝えていつも通りお昼ご飯を一緒に食べる
授業中はいつも通りコソコソふざけ合って
いつも通りにバイバイして
望はいつも通りに部活へ行って
次の日もいつも通り望が迎えにきた
私はこれでいいと、自己満足をした。
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作者名：みりん x他1人 | 作成日時：2020年4月26日 12時
