740 最後の賭け 7 ページ40
A side
A「え？」
１０メートル程先に…
メガネをかけたジニョンさんの姿…
スマホを耳に当てながらずっとこちらを見つめている…
A「ジ…ニョンさん？」
全く返事がない…
目の前の男性はジニョンさんじゃない？
そんなはずないって…
A「ねぇジニョンさん…よね？」
相変わらず無表情でこちらを見つめたまま…
いくら待っても返事が返ってくる事はない…
すっごくよく似てるけれど…
この人はやっぱりジニョンさんじゃないんだ…
ジニョンさんじゃ…
ない…
あれ？
このシチュエーション…
えっと…
何だっけ？
歩くのを止め…
目を閉じ思い出す事に集中する…
泣きながら千鳥足で階段を降り…
ふと頭を上げた瞬間に目先にはジニョンさんにそっくりな男性…
そっくりな…
男性？
もう一度目を閉じ…
階段を降りてきた時の心情を思い出してから…
目の前の男性を見る…
***パアーン***
私の心の奥の閉ざされた闇が…
一気に解き放たれた…
A「ああっ！！」
ヨナ「どうしたの？」
A「そうよあの時…うぅぅ…」
1度止まりかけた涙がまた自然と溢れ出し…
その場にしゃがみこむ…
A「私…ジニョンさんを見て圭だと思ったの…うっうっ…
さっき圭が亡くなったって聞いたのになんだここにいるじゃんって…」
ポタポタと落ちる涙…
ヨナに支えられながら何とか立ち上がり…
スマホを耳に当てながらジニョンさんの方に歩き始める…
一歩一歩歩く度に…
あの時の行動と心情が甦ってくる…
A「圭かどうか確めなきゃ…
圭なら私が近付けば笑いながら抱きしめてくれるはずって…うぅぅ…
だからジニョンさんに近付いて行ったの…うっうっうっ…
だけど目の前を通り過ぎたのに何も起こらなかったから…うっうっ…
この人は圭じゃないって…
だけどやっはり諦めきれなくて…うっうっ…
ジニョンさんを凝視したら目を逸らされて…
そりゃそうよ…
面識のない号泣女にロックオンされたら誰だって避けるよね？うっうっうっ…」
ＪＮ「それでずっと僕を…
あぁやっぱり僕のせいだった…
一言どうしたの？ってAに声をかける勇気さえあれば…」
A「ジニョンさんは何も悪くないってば…ううぅぅぅぅ…」
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作者名：じぇびにゃん(*´ω｀*) | 作成日時：2018年1月9日 19時
