739 最後の賭け 6 ページ39
A side
ＪＮ「A…意地を張るのはもう終わりにしよう…
圭さんの死を受入れたくないのは分かるけど…ちゃんと受け入れてあげないと圭さんだって安心して天国へ旅立てないよ？」
A「…」
ＪＮ「話に戻るよ…
あの日…お母さんからの電話で圭さんが亡くなった事を知らされたAは…放心状態のまま駅に着いた…」
A「…」
ＪＮ「お母さんから聞いたんだけど…Aの事故現場…実家とは反対方向に向かう電車のホームだったんだって？
それってもしや…空港に向かおうとしてたんじゃない？
圭さんの死を認めたくなくてさ…」
目の前の景色がぼやけて見えない位に…
溢れ出る涙…
ＪＮ「さっきの電話はドッキリでしたって…
空港に行けばきっと圭さんが笑って出迎えてくれる…
Aはそんな風に思いたかったんじゃない？
そして何度も何度も電話をかけ続けた…
出ることのない電話に…」
A「うっうっ…だ…誰に？」
ＪＮ「そんなこと…僕に聞かなくても分かってるんじゃない？
さぁ…今からゆっくり階段を降りよう…」
A「ううぅ…」
ＪＮ「ヨナさん…Aのサポートよろしくね…」
ヨナ「まかせて…」
ＪＮ「あぁ丁度今くらいの時間だよ…
Aが階段から降りてきたのは…」
A「うっうっ…」
ＪＮ「コツ…コツコツと不規則なリズムを奏でながらゆっくり階段を降りる靴音が聞こえてきたんだ…
ほらこの時間…乗客の大半が酔っぱらいだったりするでしょ？
だから僕は最初…泥酔状態の女性が千鳥足で歩いてきたんだって思ったの…
もうとにかく危なっかしくてさ…
そんな風に想像しながら降りてきて…」
ジニョンさんに言われるがまま…
フラフラしながらゆっくり階段を降りていく…
ＪＮ「長いサラサラの黒髪を後ろで１つに束ね…黒いパンツスーツに白ブラウス姿のA…
黒い大きな鞄を肩からぶら提げ…左耳にスマホを当てうつ向きながらずっとどこかに電話してた…
そうそう確かにそんな風に耳には高そうなピアス…
左手薬指に指輪があったな…
うんそんな感じ…
いやもっとうつむき加減だったかな？
A…もっと下だよもっと下…
もっと下を向かないと…」
え？
どうしてジニョンさんは今の私の動作が分かったの？
矛盾を感じて…
恐る恐る頭を上げた…
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作者名：じぇびにゃん(*´ω｀*) | 作成日時：2018年1月9日 19時
