735 最後の賭け 2 ページ35
A side
A「もしもしジニョンさん？」
ＪＮ「ん…どうした？何か思い出した？」
A「ううん…
さっき駅長さんと一緒に事故現場に行って当時の事を説明して貰ったの…
だけど何も思い出せなかったんだ…」
ＪＮ「ふーんそっか…」
暫く沈黙が続く…
ＪＮ「で…どうする気？
もう戻って来る？」
A「ダメ…あと少し…」
ＪＮ「はは…だと思ったよ…
それで？」
A「ジニョンさんにお願いがあるの…」
ＪＮ「僕に？」
A「うん…今私ね…改札口にいるの…
今から実際に階段を降りてあの日の足取りを辿って行こうと思う…
だから…」
ＪＮ「ヤな予感…
Aが今から何を言おうとしてるのかもう分かっちゃったよ…」
A「そんなこと言わないで…
ジニョンさん…私を言葉で上手く誘導して…」
ＪＮ「ヤだね…」
A「どうして？
前にあの日の私の様子を事細かに説明してたでしょ？
それくらいあの日の事…ジニョンさんは今でも鮮明に覚えてるんでしょ？」
ＪＮ「けど結局何も起こらなかったじゃないか！」
A「今の私はあの時の私じゃない…
だから…」
また沈黙が続く…
ＪＮ「仕方ない…いいよ分かった…
ホントにこれが最後だよ？」
A「うん…」
ＪＮ「前から凄く気になってたこと…
早く思い出したいって言うくせに…いつも心はここにあらずって感じで他人事みたいに考えてることない？
それじゃどれだけやっても思い出せないと思うよ…」
そうだよ…
私もずっと思ってた…
どうしてこんなに冷静でいられるんだろうって…
ＪＮ「ごめん…怒った？」
A「ううん…」
ＪＮ「わざとじゃないのは分かってる…
だけどこのままだとまた同じ結果になるよ…」
A「そうね…」
ＪＮ「試したいことがあるんだ…
悪いけど今すぐスピーカーにしてヨナさんにも聞こえる状態にして…」
A「うん…」
ＪＮ「おーいヨナさん聞こえてる？
直ぐに終わらせるからあと少し我慢して…」
ヨナ「いいよ気にしないで(笑)…」
ＪＮ「A…よく聞いて…
今からAには僕と出会う前のAを演じてもらうよ…
毎日が幸せで…圭さんの事が好きで好きでたまらなかったあの日のAを…」
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作者名：じぇびにゃん(*´ω｀*) | 作成日時：2018年1月9日 19時
