731 ずっと行けなかった駅 1 ページ31
A side
前を通り過ぎた事はあっても…
あの事故以来…
出向く事すら出来なかった駅…
改札を目の前に…
案の定足が動かなくなってしまった…
ヨナ「もうここまででいいんじゃない？さ…帰ろ？」
少し離れた所から見守ってくれていたヨナが…
慌てて駆け寄ってくる…
A「まだ帰らない…」
ヨナ「何…意地張ってんの？
現に足が動かないじゃん？」
A「だけどもう今日しかない…
思い出探しは今日で辞めるって約束してここに来てるから…
だからお願い…
納得するまでやらせて…」
悔しくて涙が溢れそうなのを堪えながら…
心配するヨナに必死に訴えかける…
ヨナ「何のために私がいると思ってる？
不測の事態に備えてよ？
A一人が何もかもやらなきゃいけない訳じゃない…
ちょっとそこで待ってて…」
私の答えを待たずに…
少し離れた所にいる駅員さんに駆け寄るヨナ…
私を指差しながらしばらく話し込んだ後…
車椅子を引っ張って笑顔で戻ってくる…
ヨナ「さ…早く乗って(笑)…」
A「え？」
ヨナ「中に入れなきゃ始まらないじゃない？
最初の一歩に力が入ってるだけだから私が後押ししてあげる…
さっ行くよ…
まずはお礼とSunny cafeの宣伝をしなきゃ…」
A「うん…」
駅員A「さ…こちらへ…」
駅員さんに案内され…
駅長室へと通される二人…
駅長さんが笑いながらこちらを見ている…
この人…
いつも声をかけてくれてた人だ…
A「夜遅くに申し訳ありません…」
駅長「あぁいいのいいの…
よく来てくれたね黒髪のエンジェルちゃん…」
A「え？」
ははは…
黒髪のエンジェルちゃん…
そう言えは…
前にもここでこんな風に呼ばれた事があった…
あっまずいって…
その駅員さんは顔真っ赤にしてたけど(笑)…
駅長「ごめんごめん(笑)…
うちの若いもんが君の事をずっとこんな風に呼んでたんだ…
もちろん君には内緒でね…
目がクリクリで…ちっちゃくて可愛くて髪がサラサラで天使の輪が出来てるから…」
一気に緊張がほぐれた…
A「いつか自分に向き合える日が来たら…またこの場所に来たいと思ってました…
あのこれ…」
オーナメント風のクッキーをたくさん詰め込んだ…
紙袋を駅長さんに手渡す…
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作者名：じぇびにゃん(*´ω｀*) | 作成日時：2018年1月9日 19時
