725 あの日 3 ページ25
A side
母「そしてまた泣きながら電話してきたわ…
今駅にいる…今から帰るって…
あの時のあなたは明らかに平常心じゃなかった…
だから今からでも遅くない…
そんな精神状態じゃ心配だから店に戻りなさいって何度も何度も説得したの…
だけど…」
A「私はその説得を聞き入れなかった…」
母「そして一方的に電話が切れた…
私があなたと話したのはそこまでよ…」
A「そっか…」
私がここに戻っていれば…
階段から落ちることも…
記憶を失うこともなかった…
爺「そんな暗い顔すんな…
もう過ぎた事だ…悔やんでも仕方ねぇ…」
A「今の話…聞かなきゃ良かったな…
急に不安になってきた…」
爺「じゃ駅に行くのを辞めるか？」
A「それは…」
爺「まだ時間あるだろ？
自分はどうしたいのか宿舎に戻ってギリギリまでよく考えろ…」
駅に持って行くクッキーの入った紙袋と…
ジニョンさんと一緒に食べようと思って取り置きしておいたケーキと…
コーヒーを淹れたポットを持って…
宿舎に戻る…
A「ただいま…」
ヨナはやっぱりＪＢさんの部屋かな？
リビングは静まり返っている…
棚から…
マグカップをひとつ取り出し…
迷わず…
ジニョンさんの部屋のドアをノックする…
A「ジニョンさん…中入っていい？」
返事がない…
もう一度…
A「ジニョ…」
言い終わる前に扉が開く…
ＪＮ「いいよ中入って…」
ジニョンさんの部屋は…
既にメインの照明は落ち…
明かりは…
壁の間接照明だけになっている…
ジニョンさんは私からポットとマグカップを受け取ると…
私に気にする事なく部屋の奥に歩き出した…
A「ジニョンさん…あの…
もしかして…もう寝てた？」
ＪＮ「さあね…」
A「だってこの明かり…
もうすっかり寝る体勢じゃん？」
ジニョンさんは…
窓際のテーブルにポットとマグカップを置くと…
外に向かって置かれているソファに…
ゆっくりと腰を下ろした…
ＪＮ「目の前の満天の夜景を眺めながら…Aと出会ってから今日までの事をずっと思い出してたんだ…」
A「ジニョンさん…」
ＪＮ「今さら何しにここに来た？
僕はもう…ここに来る事なく直接駅に行くと思って諦めてたのに…」
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作者名：じぇびにゃん(*´ω｀*) | 作成日時：2018年1月9日 19時
