715 クリスマスイブ 6 ページ15
A side
バイトくん達では手早く
客の生の声が聞きたくて…
久しぶりにホールに出る…
思った通り…
店はカップルばかり…
日曜日で…
しかもイブ…
今日は恋人達にとって特別な日だもん…
当然よね…
いつもより厚めの化粧をして…
おしゃれに綺麗に着飾って…
手を繋いで…
見つめ合って…
そうそう私もこうだった…
目の前に座る初々しいカップルのオーダーを取りながら…
あの頃を懐かしむ…
A「ようこそSunny cafeへ…」
客(男性)「今日が初デートなんです…
二人の記念になる様なものはありますか？」
A「そうですね…
当店はコーヒー系の飲み物に小さいマカロンをサービスで付けていますが…今日明日のみ女性限定でこちらのクッキーをプレゼントしてるんですよ…」
客(女性)「かわいい…」
A「でしょ(笑)？
他には今日明日限定でクリスマスプレートをご用意しております…
うちで出しているケーキ全種類…少しずつ切って盛り合わせた欲張りなプレートなんです…
宝石みたいに色鮮やかでかわいいケーキばかりなのでインスタ映えしますよ…」
客(男性)「じゃそれ…
コーヒーとセットで頼むよ…」
A「ありがとうございます！」
頭を下げカウンターに戻る…
A「オーダー入ったよ…
１３番…クリプレ２…ブレンド２…」
ヨナ「はーい…」
今日のスイーツ担当はヨナ…
任せるなら…
ヨナしかいないと思っていた…
見込み通り…
手先が器用なヨナは…
あっという間に私の持ってる技術を一通り覚えた…
もう大丈夫…
万が一私がダメになってしまっても…
Sunny cafeは休業しなくてもいい…
だから今日…
クッキーを持って駅に行く日に決めた…
もういい加減…
思い出探しは終わらせないといけないから…
だけど…
一緒にと言ってくれたジニョンさんとは行けない…
私をずっと支え続けてくれた…
世界で１番大切なジニョンさんだから…
私自身の問題に巻き込んじゃいけない…
きっと…
無くした記憶は駅にある…
あの時身に着けていたスーツと靴…
圭に貰った指輪とピアスをして…
同じ時刻に改札を通り階段を上り降りすれば…
きっと必ず…
前に進める…
そう信じたい…
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作者名：じぇびにゃん(*´ω｀*) | 作成日時：2018年1月9日 19時
