480 聞いて欲しいこと 13 ページ30
A side
ジニョンさん…
私ね…
さっきのキスで思い出しちゃったんだ…
婚約者の名前を…
昨日から…
何度も何度も感じてた…
ジニョンさんのふとした仕草から…
ぼんやり甦る婚約者のこと…
さっきのキスだって…
キスの仕方が誰かに似てる…
そう感じた途端に名前が浮かんできた…
圭は日本人…
どんな顔だったのかはまだ全然思い出せない…
メガネは多分…
今日のジニョンさんみたいなのをかけていた様な…
それくらいの記憶しかない…
寝息を立てて眠る…
無防備なジニョンさんの頭を撫でながら…
ジニョンさんの顔を…
まじまじと観察…
ふーん…
ジニョンさんって…
こんな穏やかで優しい顔で眠るんだ…
初めて見る…
ジニョンさんの寝顔…
さすがアイドル…
間近で見ても…
シミひとつないモチモチの白い肌に驚きを隠せない…
僕…
髭が濃いから…
すぐ口周りが青くなっちゃうんだ…
前に笑いながら話してくれた様に…
もうかなりの無精髭が生えていて…
ちょっとそれが…
アイドルっぽくなかったりもするけれど…
そんなジニョンさんも…
男っぽくて素敵だよ…
あ…
さっきまで…
だて眼鏡で全然気付かなかったけど…
ジニョンさんの目の下に大きなクマ…
あぁ…
こんなになるまで私の為に…
きっと…
さっきの話をするために色々考えすぎて…
眠れなかったという予想がつく…
ジニョンさん…
ありがとね…
記憶が戻らないことが幸いして…
ジニョンさんが話す爆弾発言は…
今のところ他人事の様に聞けているから…
心が乱れることなく…
全部受け止める事が出来てるよ…
苦しくて泣いた私に甘いキスもしてくれて…
私…
すっごく嬉しかった…
A「ファァァ…」
私もまだまだ寝足りない…
このままジニョンさんの横で…
一緒に寝ちゃおうかな？
なんて一瞬思ったけれど…
昨日作り置きしてきた…
ケーキの残数がずっと気になっていて…
やっぱSunny cafeに行かなきゃ…
そう思い直して家を出た…
もちろん…
ジニョンさんに置き手紙を残して…
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作者名：じぇびにゃん(*´ω｀*) | 作成日時：2017年5月1日 22時
