161 僕があなたにできること 4 ページ11
ジニョン side
婆「優しいジニョンくんが答えられる訳ないわよね…」
ＪＮ「いえそんな…」
婆「いいのよ遠慮しなくて…」
ＪＮ「いやでも…」
婆「私達の自慢の孫だった…
器量が良くて太陽の様に明るくて誰からも好かれてて…
でもね…あの事故で今はこんな痛々しい姿になってしまって…」
ＪＮ「おばあちゃん…」
婆「あの子は今も必至になって頑張ってるっていうのに…身内である私がこんな事を言ってちゃダメよね…」
おばあちゃんは話を続ける…
婆「Aは最近まで日本に住んでたから自分の孫だけどなかなか会える環境になくってね…
だけど学校を卒業してこっちに戻ってきてからはこの店をとても心配してくれてよく顔を出してくれるようになったの…」
ＪＮ「そうなんですか？」
婆「えぇ…実は店のケーキは全て…Aが考えたレシピを元に作ってるのよ…
色鮮やかで可愛くて宝石の様なちっちゃなケーキ…
とても８０を過ぎたおばあちゃんが考えるケーキじゃないでしょ(笑)？」
ＪＮ「いえそんな…」
婆「この店を若者で溢れかえる様なカフェに変えてみせるからって…
その為には美味しいだけでなく見た目でも楽しめる様なのを作らなきゃダメだって…
そう言って毎日試行錯誤で色んなケーキを作ってね…」
うっすら涙を溜めながら…
Aさんの事を語り続けるおばあちゃん…
婆「たまに良いのが出来るとお客さんに食べてもらって感想を聞いて…
そしてまた改良して…そうそう…ジニョンくんにもマカロン出したことあったわね…
あれもAと一緒に作ったのよ…
これを珈琲にさりげなく付けて出せたらとっても素敵じゃない？って…
ジニョンくんがあの時…マカロンをやさしい味だって表現してくれたの…今でもはっきり覚えているわ…
こんなに若い男の子がそんな素敵なこと言ってくれたって…おばあちゃんとっても嬉しかった…
ずっと辞めずにこの珈琲屋を続けていて良かったわって心の底から思ったわ…
でもね…でも…」
一瞬で…
おばあちゃんの顔が曇った…
婆「マカロンを誉めてもらったあの日…ジニョンくんが帰ってしばらくして…店の片付けをしてたら電話が鳴ったの…
Aが階段から転げ落ちて意識がないって…」
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作者名：じぇびにゃん(*´ω｀*) | 作成日時：2016年10月26日 0時
