検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:217,507 hit

はないちもんめ7 ページ7

縁側でぼんやりと座っているAの背中は、あの頃より少しだけ成長していた



俺はそんなAの後ろで肘を着いて寝転び
昔を思い出す


「A、もう日も暮れはじめた。一体何時までそうしているつもりだ?」


小さな背中に問うても答えは返ってこない

「何も取って食おうなどとは考えておらぬよ」

そっと手を伸ばし、Aの背中に触れる

「ただ────」

Aが初めて振り返ったので、言葉を継ごうとしたら


今剣「ゆうげですよー!!」


と言う今剣の声にかき消されてしまった

「...夕餉だそうだ」

俺は身体を起こし、Aの腕を掴む

「腹が減っているだろう。毒など盛ってはいないから、共に食べよう」

『でも..』

「食べなければ身体がもたないぞ」

『...ぼく』

俯いたAの肩が微かに揺れていた

「...怖いか」

ふと問うてみた。なんとなくに問うた
するとAは微かに頷いた

「俺達が怖いか?」

また、頷く

「何が怖い?俺達はお前に何も危害は加えない
...それなのに恐ろしいか?」

人の子の心は、まだわからん
Aは俺の腕を、その小さな手で握り
か細い声で言った



『ここは、どこなの......ぼく、どうなるの』


「...此処が何処かはいずれ話そう。お前がどうなるかは、心配いらない。何もしないから」


震えているAの手にそっと手を重ね言う

「大丈夫、何も心配はいらぬ」

微笑み、Aの頬を撫でる

「ともかく今は食事を取ろう。腹が減っては何とやらだ」

『......うん』

やっと返事をしたAを抱え、俺は歩く
皆の元へ行けば、既に食事が並べられていた

岩融「やっと来たか!」

「ほら、何も怖くはなかろう?」

俺達を見て笑った皆をAに言えば
Aは俺の服をぎゅっと掴み、頷いた

「食事が終われば風呂へ...湯浴みが終われば今度は眠るだけだ。生活など、A達とは何も変わらない」

Aを畳に下ろしつつ言う

「安心しろ」

『うん..』


ぎこちなく微笑んだAを座らせ
俺達は食事にありついた

はないちもんめ8→←はないちもんめ6



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (167 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
397人がお気に入り
設定タグ:刀剣乱舞 , 男主 , 神隠し
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

風船ガム - 艦那さん» 了解しました!!ありがとうございます! (2017年12月27日 10時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 無自覚サイコパスさん» さて、では自分も出陣の準備しますかね.....続編了解しました!共に討ち取りますか!!w (2017年12月27日 10時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 粟田口1009さん» 心を鷲掴みしてしまいましたか!!了解しました!ありがとうございます! (2017年12月27日 10時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 紅桜さん» ....友達は普通に飲んでましたね 。推し刀パワーは凄いww たしかに何とかなるかもしれませんね! (2017年12月27日 10時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)
風船ガム - 紅桜さん» 三日月「ハッハッハ...愛いやつめ......本当にそれでいいのか? よしよし、これからもよろしくたのむぞ」 (2017年12月27日 10時) (レス) id: 4ad624ef5c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:風船ガム | 作成日時:2017年12月4日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。