あの子が欲しい

はないちもんめ49 ページ49

side三日月

何故、一期一振が此処へいる？

兄「...まぁいい。どうせ鶯丸は死ぬ」

俺達は一瞬にして意識を戻した
Aの兄へ

兄はニヤニヤと笑いながら俺達を見て言った

兄「やっぱ、お前はいいエサだよA..」

その言葉に今にも飛びかからんとする小狐丸を
抑える

兄「神達がご熱心に求めるお前は、エサの価値がある...」

「貴様が主を殺したのか」

兄「あぁそうだよ」

悪びれもなく言った兄にとてつもない怒りがこみ上げた

兄「案の定、アンタ達はノコノコと仮面を付けずにやって来た......Aをエサにすりゃ、ここでアンタ達を一網打尽にいただけるってんだ」

「何を戯言を...俺達は従わぬ」

兄「どうかな？」

妖しく笑った兄が手を翳す
するとたちまち、石切丸からAが離された

くそっ...此奴、俺と同じ技を


慌ててAに手を伸ばす
だがそれがAを掴む事はなかった





既のところで、邪魔をされたからだ


「鶴...何をしている！」

俺達の目の前に、屋根より飛び立った鶴丸が
立ちはだかった


「そこを退け鶴！」

鶴丸「...て」

「鶴、頼む退いてくれ！其方は斬りたくない！」


ずっと俯いていた鶴は顔をあげた
俺達はその顔に、驚愕した

瞳が真っ赤に染まっていたのだ

「...鶴..お前」

鶴丸「ニゲ...て...クれ、みかヅき」

片言ながら、小さく俺に聞こえるほどに言った
鶴の左の瞳から、一筋の雫が滴り落ちた


鶴丸「..ニ、ゲて..ﾀﾉむ..」

まさか...此奴

ハッとして兄に視線を投げると
奴はそれは楽しそうに笑っていた


「貴様...外道が！！」


鶴は彼奴に操られているのだ
恐らく、審神者を殺した後..発見して我を失った鶴に漬け込み......鶴の純粋な忠誠心を利用して


鶴丸「にゲロ..」



俺達を手にかけようとしている









そして更にはその隙に

兄「じゃあ、後は任せたぜ、鶴丸。数珠丸」


『やだ...やだ！！助け..助けてぇ！』



Aを何処かへ連れていこうとしている

数珠丸「...」

くそっ！

「一体..どこまで神を侮辱し、辱め...利用すれば気が済むのだ！貴様はぁ！！」





兄「俺の目的が果たされるまで」









『いや！...やだ！！助けて！助けてよぉ！』






泣きわめきこちらに手を伸ばすA
くそっ...くそ、くそ、くそ！！









石切丸「A！」

岩融「くそっ！此奴らさえいなければ！」

小狐丸「そこを退け鶴丸！」

今剣「あなたたちは、きりたくない！」









兄「じゃあな..神様」

それだけ残し、兄はAと共に消えた

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