あの子が欲しい

はないちもんめ47 ページ47

side鶯丸

あぁ..やっと
やっと、お前の口から名前が聞けた

『うぐ！』

そうだお前は俺を“うぐ”と呼んでいた

『うぐ、うぐ！やぁだ...うぐがいい！』

お前は俺を求めてくれるか









だが、な
A..奴等はお前を手放すつもりは無いらしい

石切丸「思い出したところでなんだ。この子は先程、私達を選んだ」

今剣「わたしませんよ」

小狐丸「Aが欲しくば私達全員を倒してからにせよ」


お前と俺の距離は長く
間にはとてつもない大きな壁があるんだ


もう...お前の事を掴めそうにない









ごめんな..A









お前が再び俺を呼んでくれた
それだけでもう充分すぎる


「A、もうお前の隣は俺じゃない..
俺の居場所はないらしい」



ふっと微笑み、三条派に目線を移す
奴等の瞳は何処までも淀みない




「お前には、そいつらがついてる。きっと俺よりもお前をちゃんと守ってくれるさ..」









『違うの...うぐ、うぐと遊ぶ！！』




必死に手を伸ばすAを俺は無視する
その手を掴んでは、いけない気がした









だから..




「さよならだ。A」









『やだ！！やだよ！..うぐ！』









「“うぐ”はもう居ない...お前の護身刀は、ここで」









??「そー、ここで消えるのさ」







「！」









二度と聞かぬと思っていた声が後ろからしたと
思い、振り返った瞬間









腹部に激痛が走った









「っ...」









次いで、頭部に衝撃が走る
立っていられない痛みに、目の前が歪む









俺が最後に見たのは
三年前と何処か被る景色..









三日月から俺に伸ばされる手
その顔は悲痛に歪み






Aは泣きだし

三条派の他の四人は怒りに顔を滲ませて









あぁ...




??「久しぶりぃ..三日月宗近..そーんな顔してたんだなぁ」









腹の底を這いずり回るほどの吐き気を催す声は
Aの...兄のもの









俺...は









三日月「鶯丸！！」









『うぐ！！』









こんなところで.....終わるのか









終わって..しまうのか









もう、無理なのかなぁ......主









〈鶯丸..お主があの子を、守っておくれ〉









あぁ..









「...の！！う...ま..！」









誰だ..
そんなに、俺を..呼ぶ奴は









一期「しっかりして下さい！！鶯丸殿！」









......一期、一振..？

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