マリーゴールド (ページ10)

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10 *廉ページ10

委員会も終わり、Aを呼びに行く

廉「A、帰ろ」

Aはまたイチョウの木を見ていて
その姿があまりにも綺麗やったから
思わず写真を撮ってしまった

-カシャッ-

『！？』

その驚いた顔も何も飾っていなくて
また無意識に撮っていた

-カシャッ-

『も～！廉！笑撮らないでよ～！
絶対ブサイクだよ』

気付けば周りには誰も居なくて
紫耀すら帰ってしまったようだ

廉「ブサイクやないって笑」

『笑ってるじゃん！笑』

ゆっくり近づいて

廉「好き」

ぎゅっと抱き締めると
Aはいつも

『どうしたの？なんかあった？』

ほら。そう聞く。

廉「なんもないで。いやや？」

『何もないならよかった、嫌なわけないじゃん
うれしい！』

そう言って首に腕を回してくる

確信犯なんやろか

いや、多分天然

俺とAの身長差は
めちゃくちゃあるわけやないけど、
必然的に距離が近くなる訳で。

可愛い可愛いお顔がある訳で。

悶々と耐えとると

『私も好きだよ、廉が好き』

あぁ、無理や

-ちゅっ-

こうなるから、好きが止まらなくなるから
学校で一緒に居るのはなるべく避けてたんや

皆に迷惑かけると思うねん、
いちゃいちゃしすぎや！って

『ふふ、好きや～！』

廉「ふは、もう可愛すぎ
イチョウの木見に行こか」

『え！いいの？』

廉「おん、写真も撮ろ」

『撮る撮る～！』

そう言いながら嬉しそうに帰る準備を始める

1人の写真はあんま撮られたくない人やけど
2人なら沢山撮る変な人

『そういえば、夜ご飯食べてく？』

1年の夏頃から付き合い始めて
もう1年も経ってりゃご家族さんとも交流がある

Aの親さんはほんわかしとって、
弟の瞬くんは中2だとは思わんくらい反抗期のは
の字すら見当たらないいい子

結構仲良くさせてもらっててん
ご飯も一緒に食べる仲やで？

廉「Aママの料理久々やん！食べたーい」

『あ、今日からママいない』

廉「……ん？」

えーっと？こいつ、もう…笑

『ママとパパ、友達と旅行行ったの』

廉「瞬くんは？」

『瞬はね、修学旅行で昨日からいない』

え、これ2人？それはもう行くしかないやろ

『なんかね～、私も瞬も修学旅行あるから
ママ達羨ましい！ってなって行っちゃった笑』

廉「なんやねんそれ笑
Aは来てほしい？」

『うん！廉といたいもん』

廉「んん、行く。なんなら泊まる」

『ほんと？じゃあ1回家寄ろ！』

心が踊る