マリーゴールド (ページ9)

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9 *廉ページ9

"紫耀はAが好き"

風の噂で聞いた事がある
せやけど、紫耀はAが俺の彼女ってこと
知っとるはずやし、紫耀に限って
女の子を好きになるなんて絶対無い

噂や噂

今日までは、いや、Aから修学旅行のグループと委員会のこと聞いた時までそう思っとった

(でもまあ、海人もジンもおるし、たまたまやろな)

そう思うしか、無かった

"あの紫耀が女の子と一緒の委員会だって"

余裕なんて、正直無かった

平田A、16歳
11月11日に17歳になる女の子

チャームポイントはぱっちりお目目と泣きぼくろと口元のほくろ

好きな物はプーさんと梨とマリーゴールド
嫌いな物はピーマンと牛乳
身長155cm

体重は前覗き見しようとしたら怒られてん
やから知らん
でもまぁ、ほっそいで？
めっちゃ食べるのに太らん体質なんやろな

足のサイズは22.5cm

あとは…、文系、紫耀と海人とジンと同じクラス

ってとこやな

2年になってからは学校で
2人でおることはあんま無くて。

一緒に帰ったり、そのまま家で遊んだり
ってのが多かってん

やから、1年ぶりに教室でAと会ったのは新鮮で

なんやけど、それが委員会でっていう……

教室に入ってすぐAを探す

一緒に来た女の子は俺とAのことを
1年の時から知っとって、

〈Aの事ほんと好きだよね笑
まだ始まらないから話してきなよ！〉

と言ってくれた。
その言葉に甘えて話しかけに行こうとAに
近づくと

Aは外のイチョウの木に夢中で、
そのAを見つめるのに夢中な紫耀の姿があって。

「好き……」

ダダ漏れやねん

幸い、Aはイチョウの木に夢中で
その言葉に気付いてへんし、
紫耀は言葉に出とること
気付いてへんけど

(紫耀には渡さない)

やからわざとらしくAに声を掛けた

あたかも今来たかのように。

紫耀、お前が俺ら2人のやり取りを見たくなくて
寝とるフリしとるん、分かってるで？

でもごめんな、笑ってられる程の
余裕がまじで無い

知らんフリして放課後の約束をし、
Aの下手くそな関西弁にきゅんとする

頭を撫でてると前からの視線。

-バチッ-

あぁ、目が合ってしまった、紫耀と。
ゆるゆるで頬が上がってしまっているこの顔を
見られてしまった

恥ずかしさと同時にチャンスだと思った

"Aはお前に渡さない"

あいつに伝わったかどうかは分からんけど、
俺は心底Aに惚れているんだ