私の王子様じゃない！

#031 ページ31

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旅行の返事ができないまま
私はまた手を繋がれてお店までの道を歩く



『あれ、タクシー…』



お店の前に停まっているタクシー
誰かを連れてきたか迎えにきたか



SC「そこで待ってて」



スンチョルさんはそう言ってお店に入ると
大きな声でスングァンの名前を呼んだ



SC「自分の荷物とソラの荷物持っておいで」



え、と驚いてる間もなく私の手をまた引っ張って
タクシーの後ろの席に押し込まれた



『え、なに…』

SC「もう遅いし送れないから」

『べっ、別に電車で帰れる、』

SC「だめ」



慌てて車から体を乗り出すと
逆にぐいっとスンチョルさんの体が乗り込んできて
ちゅ、と小さく音を立てて唇が離れた



『っ…』

SC「いい子にしてな」

『〜っ』



キスするくせに、子供扱い
やっぱりやる事が大人でスマートでずるい
顔を背けて大人しく車に乗ることにした


後でバタバタとスングァンが荷物を持ってきて
一緒に車に乗り込んできた



SC「スングァナ、ボノニと2人今週土日空けといて」

SG「お？どうしました？」

SC「旅行行こうみんなで」

SG「え！行きたい！」

『え！みんなで！？』


私とスングァンは言葉が被ってしまったけど
みんなで行こうって意味だったんだ…！
私2人で旅行かと思って…
いや、だったら余計に断れよって話だけど



SC「そこのお姫様今週中に説得しといて」

SG「了解です！」

SC「じゃあまた連絡する」



私にチラッと目線を送ったあとで
スングァンに数枚お金を渡してから運転手に



SC「女の子から送ってください」



そう言って私たちに笑顔で手を振った



SG「か、かぁっこいいー…」

『………ふんっ』



スングァンは目がハートになっていた
私はスングァンの手からお金を奪って
運転手さんに強めに住所を伝えた



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その日の夜にハンソルから一件メッセージが来てた



【そういえば店長から電話きた？】



私の連絡先はハンソルから知ったことがわかって
なんだかもう用意周到すぎて呆れてしまった



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