私の王子様じゃない！

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ジュンさんのお酒を待つ間
スンチョルさんは色々と話しかけてくれて
ミンギュ先輩とかミョンホ先輩のことも教えてくれた

やっぱり変なモードに入らなければ
ただの優しいお兄さんなのにな…



HS「あの、さっきはごめんね」



正面に恐る恐る座ったのはホシさん？だっけ？
スンチョルさんを見上げると



SC「ホシ。店員だよ」

HS「よろしくね」

『…よろしくお願いします』



さっきキスしてる所見られたんだよね…
そう思うと恥ずかしくてまともに見れない



HS「昨日バーノンと仲良くなったよ」

『あ！昨日の！』



ハンソルが店員さんと仲良くなってたから
なんとなく気になっていたんだけど
それがホシさんだったのか



HS「そう、意気投合しちゃって」

『！！！！』

HS「どうしたの？」

『あ、いえ、なんでもないです』



ホシさんが続けて何かを話しているけど
私は途中から集中できなくなった

隣にいるスンチョルさんが私の手に大きな手を重ねて
親指を撫でてくるから

普通に手を繋いでいると思えば良いのに
どうしてもゾクゾクしてしまう



HS「あ！ミョンホそれ手伝うー」



話し途中で席を立ったホシさん
全然聞いてられなかったのが申し訳ない



『ちょっと、やめて…』

SC「やだ」

『なんでそんな…甘いの』



どうせ離してくれないし聞いてみようと思った
この人がこんなに私に甘い理由



『誰にでもこんな甘くて優しいの？』

SC「そう思ってくれてるんだ？」

『だって…そうじゃん』



スンチョルさんは少し考えたあとで
繋いだ手の指を絡めながら



SC「俺のこと好きになればいいなと思ってやってる」

『え…』

SC「全部下心だよ」



顔が近付いてきてキスされる…って思った
ギュッと目をつぶってキスを待っていたら
一向に重ならない唇



SC「人が見てるから嫌だ！っていうかと思った」



そっ、そうだよ
誰が見てるかわからないこんなお店の中で
キスをするなんて常識的にあり得ない



『当たり前です！こんな人前でキスなんて…っん、』

SC「ん…、」



短すぎず、長すぎず、浅すぎず、深すぎず
そんなキス
人前なのに、知り合いも沢山いるのに…
私はやっぱりこの人に会って変わったんだ


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