私の王子様じゃない！

#019 ページ19

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急に抱き上げられてソファへ
私はソファに座っている彼を跨ぐようにして向かい合った
突然のことで成す術もなくこの体勢になったけれど
これは恥ずかしすぎる



『やっ、やだ…！』

SC「キスしよ」

『だめっ』

SC「だめ」



ダメにダメで返すなんて酷い
近づいてくる唇を避ける方法もない



『…ン、んぅ…』



昨日とは少し違う、ゆっくりとしたキス
撫でるようにわたしの唇をノックする舌
少し開いた口の隙間から舌が入りこんで絡まる



『は……ふぅ、ンっ』

SC「んっ…、」



煙草の味が口の中に充満する
昨日よりも大人の味

下唇を何度も喰まれて口が閉じなくなる
歯列をなぞって顎を擽る



『ぅ……んっ』

SC「ん…ぁー、やばいな」

『な、に』

SC「ヤケドしそう」



確かに溢れる息はすごく熱くて
触れたら火傷しそうなくらい体も熱い



『…さっき、キスマーク…って』

SC「ん？」

『どこ、』



朝正面から鏡を見た時に１つ見つけて驚いたけど
洋服でギリギリ隠れるところだった
なのにさっき"沢山"って言ってたよね…？



SC「んー、ここ」

『っ、そこは知ってる』



私の腰を支えながら首を指差す
そこは朝見たから知ってるの



『うしろ、つけたの？』

SC「…どうだろう？」

『〜っもう！なんでそうやって…』

SC「教えたら隠すじゃん」



また優しく笑った

この人の癖なのか、耳を撫でて目尻を下げて笑う
さっきまで恥ずかしかったのに…
なぜか安心する仕草に感じてしまうから不思議



SC「今日これ可愛いね」

『…ポニーテールって言うの』

SC「知ってるっつーの」

『おじさんだから知らないかと思った』



昨日より可愛くしたくて髪型を変えたこと
スングァンさえも何も言ってくれなかったのに
気付いちゃうんだもん、ずるい
可愛いとストレートに褒められた事もないから照れる



SC「はぁ、まじで今までよく手つけられなかったな」

『なんか…言い方がやだ』

SC「俺だけが宝物見つけた感じ」

『わっ、んぅッ…』



また隙間を埋めるみたいに重なる唇
片手は後頭部を、もう片手は腰を、
しっかりと押さえ込まれて逃げ道がない



SC「新しいこと教えてあげる」

『んっ…あたらしい、？』

SC「ん…キスの、つぎ」



警告音が頭の中で鳴り響く




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