煩悩が十三 ページ20
攻防は続いた。
しかし決着も早かった。
丑は単純に目の前の卯しか見ておらず、そして卯も丑しか見ていなかった。
僕の腕の中にある巳の頭はただ虚ろを見ており、卯が視界を共有しているようでもなかった。
爆発音。
漁夫の利。
子がその場所に、醜怪送り、もとい未の持っていた爆弾を投げ込んだ。
吹っ飛ぶ二人。
僕もある程度遠くに居たが、助からず僕も吹っ飛ばされた。
子「・・・。」
眠たげであった子の戦士。子でありながらも、漁夫であった。
子は屋上にいた。
現場が見下ろせる場所、そして安全な場所。
この二つを兼ね備えた、何とも、たちの悪い場所からたちの悪い手法をもってして。
僕の死体は、爆風により酷く焼けただれてしまっていた。熱程痛く恐ろしい物はない。なかなか死ねずにただ痛みで朦朧とする意識が蝕まれる。
焼けた死体は、死んでからも十時間は意識があるとか。
そんなところだ。
しかし、きついからリセットとして舌をギリギリで噛んだ。が、浅かった。
口から痛みと血の味がする。
＿＿＿早く終われ！
そんな矢先に、子が僕の獣石を取りに来た。
容赦なく子は僕の腹を割いた。
獣石は腹の中ではなく帯の中にあった。故に腹を割けば、ほつれた帯からコロンと床に獣石が落ちた。
僕の意識は、また二十秒飛んだ。
僕の体に黒い砂のようなものが包帯のように集まる。
それは傷に染み込み、体の厚みを形成し、死体を完全に直した。
それに気が付いた子が立ち止まる。
だいたい、４メートル程しか離れてはいなかった。
僕は立ち上がり、爆発で壊れた周りの建物の残骸の上を歩いた。
砂利になったそれは、石を踏んだ音と、パキパキとプラスチックを割る音ような音、ガラスを転がしたような音・・・
僕の生を実感させる、破壊の上に立つ命を感じさせた。
にっこりと、年上だが眠たげで自分より幼く見え、み、見え・・・ないな。明らかに年上だ。うん。
まあにっこりと語りかけてやった。
A「ねずみの少年、気分は如何？」
子「・・・最悪。」
明らかに侮蔑の目を向けられた。驚きは無かったようだ。
A「お前、それでどんな願いを叶える？」
子「夢を貰う。」
A「へぇ、ご立派。どンな夢？」
子「・・・。」
あらゆるルートを通った子は、何を答えても駄目だと悟った。駄目というより、いまいちだった。
A「ああ、そうだ子の戦士」
子「ここから離脱する、じゃない？」
流石ルート通りまくった奴だ。解りきってやがる。
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蒼常 - 宇宙ノイズさん» ありがとうございます。・・・現在、このなんとなーく終わってしまった小説に、なんとなーくなその後のような番外編でも作ろうかと思いますが、どうしようかなと・・・。 (2018年6月16日 20時) (
レス) id: 50e56d9f31 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙ノイズ - ありがとうございます。俺特過ぎて発狂しました。そして現在、39.7度の高熱にうなされております←唐突 でもこの小説読んだおかげで、頭は元気になりました！！本当にありがとうございます！！更新待ってます！！ (2018年6月8日 20時) (レス) id: efb5949f21 (このIDを非表示/違反報告)
蒼常 - やだ・・・更新放置してたらこんな有り難いコメントが・・・(土下座） (2018年6月2日 23時) (レス) id: 50e56d9f31 (このIDを非表示/違反報告)
宇宙ノイズ - すっごいおもしろいです！！バレンタインの丑さんと卯くんが特にwwww 卯くん楽しそうですねwww更新待ってます！！ (2018年5月14日 0時) (レス) id: efb5949f21 (このIDを非表示/違反報告)
蒼常 - あああああざます！・・・数話しないと主人公がしゃべらないという欠陥ですみませんんんんんんんんん(歓喜のあまりブリッジした) (2018年3月4日 22時) (レス) id: 50e56d9f31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蒼常 | 作成日時：2018年1月25日 0時
