プロローグ ページ1
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其の日は土砂降りの雨だった。
窓の外から見える光景に、帰りが遅くなると連絡が来た兄が心配で気が気じゃなく、夜の十二時を過ぎても眠れなかった。
一応、今朝傘を渡して置いたけど、恐らくこの雨ではそれも余り意味をなさないかもしれない。
すると、玄関から扉が開く音が聞こえた。大きめのタオルを持って小走りで、玄関に向かう。
ここで予想外なことが起きた。
「お、かえり」
夜遅くに帰ってきた兄は、傘を持っていたにも関わらず、全身びしょ濡れで玄関に立っていた。
瞳をトロンと惚けるように宙を眺めており、焦点があっていない。頬はほんのり赤く、お酒臭かった。
「只今」
「ねぇ、お兄ちゃん。それなに?」
私が、思わず穴が空くほどに見てしまった
兄の背後にいるのは、白い毛並みをした
「猫拾った」
それは、どう見ても虎でした。
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作者名:淡桃れもねーど | 作成日時:2020年8月31日 8時