【d!】くらえ！お前特攻の顔面力ビーム！！

2 ページ2

私はW学園の2年生。
この学園はまぁ、所謂お金持ちが9割の学園だ。

山田家はかなりの財閥で、実質この学園のトップは私。
もう1人有名どころの財閥のお坊ちゃんがいて、そいつも合わせてツートップだ。たしか。
名前？覚えてない覚えてない。たしか横文字だったから覚えてない。日本人が横文字なんて覚えられるか。ひらがな表記しろ。

と、いうのも…私はあまり頭がよろしくない。
なにせワガママ放題のお嬢様。勉強だって嫌がってしていなかった。
学生の本分を忘れてた囲いを侍らせて遊んで放題。
でも周りはそれを許してしまうから、改善しようとも思ってなかった。

というか、このAという女…


顔 面 以 外 優 れ た も の が 一 切 な
い ！


嘆かわしい。非常に嘆かわしい。
もちろん勉強はダメ、運動だってダメ、家事もダメ、記憶力はカス。

どうやって生きていくか？そんなん顔だよ顔。顔だけでなんとかなるんだよ。
と、本気で思っていた。

｢はぁ…｣

教室で自分の机に座りながら小さくため息をついた。
取り巻きの有象無象が何か言っているが、そんなこと知ったことではない。どうせ話しかけたら悲鳴をあげるか、気絶するからな。

｢ため息なんてついたら幸せ逃げちゃうで｣

その時、周りの人間たちの中から聞こえた一人の声に、ふと惹かれた。
声の主を見てみるとメガネをかけ長い前髪で片目が隠れた顔の整った男。
私と目が合うと、その男は驚いたように目を見開いて止まった。

｢A様が、う、鬱様と目を合わせた…っ！｣

ざわざわと取り巻きたちが騒ぎ出す。
ああ、なんだか分からないけどめんどくさい事になった気がする。

3→←1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す