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178話 ページ29

それこそ、どこを探しても。


『ふふ、炎なんていくらでも存在しますよ。でも、``聖なる``となると、話は変わってしまう』

焔ビト「何が、言いたい……」

『果たして、手に入れることの出来ないような代物を``人間が``……手にすることなんてできるんでしょうかね……?』

焔ビト「どういう、ことだ?」

『それこそ、人ではない何かが、動いているのかもしれませんね?』

焔ビト「……」



私と焔ビトの間に、変な沈黙が流れる。

おそらく、目の前で私に見下ろされている焔ビトは、「何を言っているんだこいつ」みたいな感じで見てるんだと思う。



……酷い。




『……なんて、冗談ですよ。まぁあなたの質問に答えるとするなら、ただの勘です』


私はそう言って、ニコリと笑った。

そして、目線の先にいる焔ビトに言い放つ。


『長話がすぎましたね。そろそろサヨナラです』

焔ビト「お前は、人間か?」

『おやおや……なぜ?』

焔ビト「言動と思考からして、人とは……思えない」


私はその言葉に何も返さず、俯いた。


『…………』

焔ビト「……沈黙、ということは、肯定するか……」

『……仮に、私が人間でない何かだとしても、それがなんです。今から死にゆく貴方が、ソレを知ってどうるなると?』

焔ビト「……?……ッ!?」



この瞬間、焔ビトは体の芯から震えたのを体感した。
Aの冷めた瞳が、今にも自分を刺してしまいそうに感じたからだ

死んで初めてだろう。これ程までに、目の前のたかが少女に、




恐ろしい




と、感じたのは……




焔ビト「お前、なんだ……!?」


焔ビトは焦ったように私に言う。だが、私はその言葉を無視して、言葉を紡ぐ。



『こういうのってなんて言うんでしたっけ?……あぁ、』


そして数秒、間を置いた後、焔ビトへ笑顔を浮かべていい放った。


焔ビト「?」

『`死人に口なし`……ですよ』



最後にそう言って、私は焔ビトの首をへし折った。


すると焔ビトは、サラサラと砂のように散って、風と共に消えていってしまった。


先程まで焔ビトが存在した地面を見ながら、私は呟やいく。


『(もし本当に、あの天照に人でない何かが関係しているのなら……)話、聞いてみたいな』




そして立ち上がり、何事もなかったかのように、私はみんなの元へ向かう。



『……あ、死人に口なしじゃなくて、焔ビトに口なし……の方がよかったかな?』


ま、どっちでもいっか。





そんな事を呟きながら。

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トギリ(プロフ) - 人形師さん» ありがとうございます!!丁度お話が切れたので、次は続編で楽しみにしててください!! (2021年2月18日 3時) (レス) id: 3f55fcc611 (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります。応援してます!! (2021年2月15日 21時) (レス) id: 0a38f0e1cb (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 戯言さん» ありがとうございます!!最近更新スピード遅いですが、頑張ります!! (2021年1月17日 20時) (レス) id: d62e5fc86b (このIDを非表示/違反報告)
戯言(プロフ) - とても面白かったです!!更新頑張ってください!! (2021年1月16日 10時) (レス) id: 2a27d057e9 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 鏡さん» ありがとうございます!更新頑張りますね!! (2021年1月4日 22時) (レス) id: ea7a9b2bb6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トギリ | 作成日時:2020年11月15日 17時

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