175話 ページ26
スコップ「御神体は、元からこの地にあったものを、オレたちの恩人が治してくれたものだ」
森羅「……恩人?」
スコップが言うには、250年前の大災害で世界が荒廃した少し後に、その恩人……1人の旅人が現れたそうだ。
その人は、漆黒のローブを纏った女性だったそうだ。
その女性は、ここの地にいた動物達に言葉を教えてくれたそうだ。
女性の炎はとても暖かく、自然と空腹もなくなり、寿命も延びていたらしい。
だが、彼女は廃墟だった御神体を治して、いなくなってしまったらしい。
そこまで説明すると、スコップは首に巻いていた布をギュッと握りしめた。
スコップ「あの御神体のおかげでこのオアシスが生まれ、オレたちは生きてこられた」
ヤータ「あぁ」
スコップ「彼女は恩人だ!いつかここに戻って来るかもしれない!!それまでオレたちは、御神体を守るんだ!!」
環「その人はどこに行ったんだ?」
ヤータ「あの日以来、誰も見たものはいねぇ……」
スコップ「でも、彼女の帰る場所を!ヤツらに渡す訳にはいかない!!」
そこまで聞いて、私は何故か分かってしまった気がした。
『(……恩人さんって、もしかして)』
森羅「あの声は、その人のものなんじゃ……!」
リヒト「あぁ、可能性はあるね。目星をつけていた調査ポイントも、あの御神体で間違いないでしょう……あそこに一体なにが……?」
『……ここには、焔ビトもいるんですか?』
リヒト「え……?」
私が唐突にそんな事を言い出したせいか、リヒトさんは驚いた表情をする。
『……あれ』
そう言って、私は目の前のローブを纏ったモノを指さす。
スコップ「……!!ヤツらだ!!」
森羅「人……!?」
ヤータ「元人だ!!」
ローブを纏った焔ビトは、こちらの存在に気がついたのか、ゆっくりと振り返り唸る。
そして、唸り声を発しながら私たちに襲いかかってきた。
リヒト「う、うわぁぁ……」
リヒトさんはそう言って後退する。だが、その後ろにはトラップが仕掛けてあったようで……
リヒト「え!?う、わあぁぁぁああ!!」
リヒトさんは足に縄が絡まり、それは大きく跳ね、空中へと投げ出されてしまった。
パーン「ピーーッ!!トラップだ!!森羅!リヒト捜査官を助けろ!」
森羅「はい!」
2人が会話をしている間に、リヒトさんは落下していく。そして、その落下地点には、杭が設置されていた。
森羅「リヒトさん!!」
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トギリ(プロフ) - 人形師さん» ありがとうございます!!丁度お話が切れたので、次は続編で楽しみにしててください!! (2021年2月18日 3時) (レス) id: 3f55fcc611 (このIDを非表示/違反報告)
人形師(プロフ) - 凄く面白いです!続きが気になります。応援してます!! (2021年2月15日 21時) (レス) id: 0a38f0e1cb (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 戯言さん» ありがとうございます!!最近更新スピード遅いですが、頑張ります!! (2021年1月17日 20時) (レス) id: d62e5fc86b (このIDを非表示/違反報告)
戯言(プロフ) - とても面白かったです!!更新頑張ってください!! (2021年1月16日 10時) (レス) id: 2a27d057e9 (このIDを非表示/違反報告)
トギリ(プロフ) - 鏡さん» ありがとうございます!更新頑張りますね!! (2021年1月4日 22時) (レス) id: ea7a9b2bb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トギリ | 作成日時:2020年11月15日 17時