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第一話 ページ1

利吉side

私には、一番弟子がいる。

「フリーの忍者の弟子ってどういうことだ?」って?

いやそれが……私にも未だに理解出来ていない。

そうだな、あれは何年前のことだろう。

私がフリーの忍者になりたてで、彼がまだ四年生くらいだっただろうか。

────回想────

私は当時仕事で、裏裏山で行われていたタソガレドキとカワタレドキの戦の調査をしていた。

その時、忍務終わりだろう忍術学園の生徒が相手方のスパイと勘違いされカワタレドキの忍者達に追われていたんだ。

忍装束は明るい紫色で、彼がすぐ四年生の生徒だとわかった。

何故かって?

私の父は、忍術学園の教師をしているからね。

私も度々忍術学園に顔を出すんだ。

しかし、生徒全員把握できているわけではない。

勿論のこと、追われている彼も初めて見た。

次第に距離が縮まっていき、彼は忍者達に追いつかれた。

最初は、三対一だし、忍術学園の生徒だし大丈夫だろう。

そう思って私は高みの見物よろしく、彼を見ていた。

しかし、相手も腐っても忍者。忍たまと言えど彼は子ども。

圧倒的な体格差と力量の差で彼はどんどん追い詰められていって怪我が増えていく一方。

流石にこれはまずいと思い、

利吉「君!後ろへ下がって!」

?「えっ……?だれ、ですか……」

彼は苦無を握り、忍者達に向けていたそれを、今度は私に向けてきた。

利吉「大丈夫、私は君の味方だ。いいから、早く下がって。」

そう言い、相手の忍者達に向かっていった。

手応えはまぁまぁと言ったところで、意外とすぐに片付けることが出来た。

利吉「君、大丈夫?」

?「はい。あ、あの、ありがとうございました!助けていただいて……っ」

利吉「傷が痛むかい?あぁ、これは大怪我だ。忍術学園の生徒だろう?私が運んであげよう。さぁ、乗って。」

彼を見遣ると、腕と腹、頬と額から血が流れていて、忍装束が破られ少し見えた足首は腫れ上がっていた。

しゃがんで彼に背中を向けると、「すみません」と言って背中に乗った。

そうして私は彼を忍術学園まで送り届けた。

そう、もうわかったと思うが、この彼こそが

今の私の一番弟子、杠葉Aである。

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作者名:ミ ツ ル | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2018年10月21日 11時

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