其の少年*肆 ページ16
*
「Aさんは、これからどうされるんですか?」
竃門君とはそれなりに仲良くなり、一方的にこれからも手紙送りますね!
なんて言ってくれている。
けど私は彼らのように鴉はいないので、返事を送ることは出来ない。
それでも良いらしい。
それで結局、甘味屋で話したあと、蕎麦屋で一緒に昼食を頂いて、また甘味屋に戻ってきた。
団子を頂いている。別腹である。
「うん、私は浅草に行こうと思って。
そこで仕事見つける」
「…成程…!」
こんな顔で雇ってくれるもの好きがいればの話だが。
「うふふ、何だかお揃いね私たち。」
「…お揃い?」
「ほら、火傷の痕があるじゃない。
君のは炎のような形をしているけど…」
本当に黒死牟さんの痣にそっくり。
この子と何か関係があるのかしら。
「本当ですね!お揃いです。
…あの、Aさんはそのままでも十分お綺麗ですよ」
いつかの冨岡義勇と重なる。
けど、彼は邪な目はしてない。
至って真面目だ。
「ふふ、有難う」
何だかとても可愛い弟ができた気分になって、思わず頭を撫でてしまった。
「おっ、おおお俺は長男です!!」
「?そうなんだね」
Aは、炭治郎の言葉の意味が分からなかったが、何だか可愛いので撫でていた。
その後、炭治郎君に任務が入ったので別れた。
「冨岡さんにも、よろしく伝えてね」
「はい!お元気で!」
彼らは多忙だ。Aは数少ない荷物を抱え、甘味屋を後にした。
早く、浅草への足を見つけないと。
そろそろ銭も尽きる。
*
幸いにして、Aはその日の内に足を確保することが出来た。
翌日の早朝に出発する。
馬車を持つ主人が、気前のいい人で助かった。浅草で仕入れをするらしく、行きならば乗り放題なのだ。
*
ごとん、がたん、と荷台が揺れる。
馬車に乗り込んで2日目。
最後の山越えを終えた。
「嬢ちゃん、ほれ。街が見えてきたぞ」
日は既に傾き、西日が強くなってきた。
辺りは段々と暗くなりつつあるが、その街は煌々と光を灯していた。
「…これが浅草…。
こんなに明るい」
街へ辿り着き、主人に勢いよく頭を下げた。
そのまま別れて、宿を取るべく街を歩いた。
*
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renkon(プロフ) - 林檎さん» ヒィぃ嬉しい...最後ちょっと雑だったけど伝わって良かった...ありがとうございます!! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - 桃さん» あざす!!!!!!!感想ありがとうございます!! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 超 感 動 !! 黒死牟大好きなので最高でした! (2020年1月31日 0時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 黒死牟推しです。とにかくキュンキュンしました!大好きな黒死牟にお姫様抱っこされたり、キスされたり…もう、最高!! (2020年1月15日 22時) (レス) id: 7ebd909b21 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - 無気力人間Aさん» ほんとですか!?やったー!お相手が鬼ならばBADにするしかあるまい!!と考える人間なのでそう言って頂けて嬉しいです。 (2020年1月14日 23時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:renkon | 作成日時:2019年11月18日 22時