其の少年*弐 ページ14
*
「そう言えば、君は妹をもとに戻そうとしてるとか…」
「あ、はい。俺は妹を人間に戻すために剣を取りました。あっ、勿論鬼に恨みはありますよ」
「鬼が皆、元は人間だということは知っています。実際に、鬼を元に戻す方法はあるんですか?」
「まだ…確立はしてないそうですが、ある方が、その方法を研究しているんです。
俺はその方に協力しています。研究を進めるために、鬼舞辻無惨の血がより濃い鬼を探して倒し、血を採取しているんです。
あ、鬼舞辻無惨というのは鬼の頭目で、奴がすべての元凶なんです。
それで…Aさん。鬼舞辻無惨の血がより濃い鬼、というのは、それだけ強い鬼ってことなんです。」
「…。」
瞳がかち合う。
この子の瞳はまっすぐだ。途方もないくらい。
「Aさん、俺はとても鼻がいいんです。匂いで大体分かります。
Aさんから、恐ろしく強い鬼の匂いがするんです…。
貴方の大切な方だと言うのは十分分かってます!でも、それを譲歩できる程、俺たちは情けをかけられません。」
彼はかなり気を遣ってくれたんだと思う。でも、彼らにも譲れないものがある。
「分かってます。だから私はあの屋敷を出て来たんですよ?」
緊張していた彼にそうはにかむと、表情が緩んだ。
「そうですね…。ここまで話して頂いて私から何もないと言うのもアレですから…。
彼について少しお教えします。
あの方の名前は『黒死牟』。侍のような風貌です。」
「…目に何か、文字がありませんでしたか?」
「文字…あぁ、ええありました。
『上弦』に、『壱』と言う文字が…。」
「え…」
「それと言うのは、鬼の整理番号みたいなものなんでしょうか?」
「まさか上弦の壱だったなんて…!
いや、強さを表すものですよ!
鬼たちの中でも、格段に強さの違う鬼がいます。それが『十二鬼月』と呼ばれていて…、上弦の壱は、その最上位です」
(最上位…。そう言えば、黒死牟さん、自分より強い鬼はあの方以外にいないって言ってたっけ…。
あれ?上弦の壱が最上位なら、じゃあ『弐』の文字を持ってた教祖とか言う鬼…、あいつまさか第二位ってこと?)
思い出したくもないあのアホヅラが脳裏に浮かび、頭をブンブンと振った。
「Aさん?」
「あ、なんでもないですよ」
勿論、嘘だと言うのは炭治郎にはバレていた。
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renkon(プロフ) - 林檎さん» ヒィぃ嬉しい...最後ちょっと雑だったけど伝わって良かった...ありがとうございます!! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - 桃さん» あざす!!!!!!!感想ありがとうございます!! (2020年7月22日 1時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 超 感 動 !! 黒死牟大好きなので最高でした! (2020年1月31日 0時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
桃 - 黒死牟推しです。とにかくキュンキュンしました!大好きな黒死牟にお姫様抱っこされたり、キスされたり…もう、最高!! (2020年1月15日 22時) (レス) id: 7ebd909b21 (このIDを非表示/違反報告)
renkon(プロフ) - 無気力人間Aさん» ほんとですか!?やったー!お相手が鬼ならばBADにするしかあるまい!!と考える人間なのでそう言って頂けて嬉しいです。 (2020年1月14日 23時) (レス) id: 97b1ff29e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:renkon | 作成日時:2019年11月18日 22時