山の麓にて ページ46
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2時間後…
「…なんか、ここまで何もないと敵の動きが読めそうだな…」
「大方、迎え撃つ準備は万端ってとこかねぇ」
コラさんはアゴにてを当て考える素振りを見せた。
あたりは木々がなくなり、見晴らしが良い野原になっている。と言っても傾斜がある。
「……アジトって…どこらへん？」
「あそこにデケェ樹が一本あるだろ。
あの辺だ」
…遠目からだと…なんか、
「…アジトっつーより、村って感じだな…」
コラさんが眉を潜め言った。
大樹の周りに民家が建ち並び、のどかそうに見える。
「ほんとに親衛隊のやつらのか？
…間違えてないよなコラさん？」
「間違ってねぇはず…。このモストワ山周辺で1番"声"が聞こえる。
ざっと500くらいだな」
「あ、意外といる。」
「当然、それには動物も混じってるかもしれねぇ」
厄介なのは動物たちだ。
「さて、どうするコラさん。
私たちの目的は、あいつらに盗みをやめさせることと、黒鉛発掘場の解放…」
「とにかく話し合うしか道はねぇが…、俺たちは彼奴らにとって大罪人だ。
まず対等な条件下じゃアウトだな」
「じゃあ縛り上げる？」
「… それしかねぇな」
…チョット待って、私達こそ賊になってねぇか？
「まずあそこの崖を登って様子見するか」
村の近くに高い岩があり、断崖絶壁みたくなってる。
コラさんはそれを指差してそう言った。
「…階段でも作るか。
このままじゃ登れない」
「…大丈夫か？」
「ヘーキヘーキ！
あ、私に"凪"やってくれ。変形させるときどうしても騒音がするんだ。それで気付かれちゃ意味ねーし」
コラさんは頷き、私達はそのでっかい岩の下までやって来た。
コラさんは私の頭に手を置き、
「"凪"」
そして私は岩に手をつき、
「(石階段…)」
そう念を送った。すると岩は、音なくみるみる形を変えた。
そして、私たちの前にてっぺんへと続く階段が出来上がった。
コラさんは私の頭を撫でると同時に能力を解除してくれた。
「よっしゃ行こ！」
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作者名：renkon | 作成日時：2020年4月23日 12時
