経緯 ページ34
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少し遡り、山賊…じゃなくて、親衛隊の皆さんの囲いから逃げだしたところ。
私は、未回復のまま立て続きの能力行使で、体が動かなかった。
…というのを見越した上で、と、逃げる作戦をコラさんに耳打ちしていた。
ので、作戦を実行し、無事成功。
…までは良かったのだが…。
ダダダダダ…！
「"凪解除"！
…へへ、上手くいったな！」
「コラさん、前見て走ってくれ頼むから！」
「…おお、そうだな」
私達は一応元来た方向に逃げていた。
「多分親衛隊の皆さんは私らを追ってくる。
あっちは動物に乗っかって走ることもできるし…追いつかれるかもしれねぇな。」
それに嗅覚もある。これが一番厄介だ。
まぁ犬並みか知らないけど
「…よし。じゃあ木の上を行くか。」
「はぁ！？私を担いだ状態で何言ってんの！」
純粋に身の危険を感じる。
しかし今私は体が動かない状態。何もかもコラさんに任せるしかない。というか逆らえない。
「心配するな！
俺の身体能力はスゲェ…ぞ…」
と言ったそばだった。
登って枝を飛び移り始めてすぐの事だった。
「だから前見ろっつった！！！」
ドジが発揮されてしまったのだ。
調子に乗ったコラさんは、さっそく枝を踏み外しそのまま落下…
「フザケンナァァァ！！」
しかもすっげぇ運が悪かったらしく、地面は芝生の傾斜。
…芝生だっただけラッキーかも。
身体中に強い衝撃を感じるが、それほど痛くなかった。コラさんが体を張ってくれたみたい。
しかし傾斜！！！
コラさんは私をしっかり抱き締めると、ゴロゴロと傾斜を転がった。
「ああああああああ！！！」
おにぎりコロコロじゃないんだよ！！！
…そして、ようやく止まった。
目を開けるとコラさんの顔。
「え！！」
そして体が何故か重かった。
その重みの正体はコラさん。
「は！！」
コラさんは身を盾に私を守り地面を転がってくれたが、力尽きたか私の上に乗っかってる。
…重い…。
てか顔近い…。やばい照れる。しぬ。あかん。
これはあかん。
近すぎる。
「コラさん…」
そしてニヤニヤし始めた頬に鞭を打ち、コラさんを起こすために呼び掛ける。
「コラさん！」
何故か気を失っている。
「起きろォォォ！！！」
「うっ！ハッッ」
…と言うわけだ。
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作者名：renkon | 作成日時：2020年4月23日 12時
