優しい ページ13
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「いいのか？
これを逃すと、もう帰れねぇんだろ？」
心配そうな声。
優しいなぁ
「うん、いいさ。
ちょっと寂しいけどな」
顔が見えないはずなのに、私の表情を見たかのように、コラさんは言った。
「今、寂しいか？」
「…ちょっと」
すると、コラさんが覆いかぶさるように私を抱き締めた。
う、ええええ！！？
「ありがとうな、助けてくれて。
寂しかったり、辛かったりしたら、慰めてやるから」
「……！う、は、はい…」
コラさん…イケメンじゃね？
少しして、コラさんは私を離した。
「しかし…これからどうするか」
「地図もなんもねぇし、ログポースも無いしなぁ」
絶賛海のど真ん中で迷子中。
ひょっとしたら死んじまうなんてことあんのかな。
…完全サバイバルだしな！！！
「あ、ポースなら心配すんな。
ローと旅してたときのがある」
「おおお…！
…ん？ログポースじゃなくて？」
「エターナルポースだ。
…サレダ島…あんまし聞かねぇ名前だが…」
私も聞いたことねぇ。…サラダかと思った。
「とりあえずそこ行こう。
…コラさん、言いたくねぇけど、もう旅はやめてもらってもいい…？」
「俺が生きてることバレたらマズイんだろ？
…理解したぜ、今日から別人として生きてかにゃあ…」
「出来れば、非政府加盟国がいいな。
…まだ確率が低いし…」
「サレダ島に着いたら、探してみよう」
「…うん」
ほんとごめんコラさん…。
生きてて欲しかったけど、なんかこれで良かったのかなぁって…思っちまうんだよな…
生きてること隠さないかんし。
するとコラさんは私の表情に気付いたのか
「シケた面すんなよ、
俺は、まだ生きることが出来て嬉しいんだぜ？
ローの行く末も見守られる。ありがてぇよ」
そして、頭を優しく撫でてくれた。
…照れる。
「そう言ってくれて良かった。
ホント優しいな、コラさん。
…心が軽くなった」
ニッと笑ってみせると、いい笑顔が返ってきた。
そして私達は、サレダ島へ向かった。
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作者名：renkon | 作成日時：2020年4月23日 12時
