脅しと思惑 ページ14
＊
「さ、オレは君に聞きたいことがあるんだって」
ファイは、手に持つ針を、男の眼球の前に持って来た。
その時だった。
「オイ…お前何やってんだ！？」
聞き慣れた、声が響いた。
「…………サンジ、まさか来るとは」
「オイオイなんだこの状況…！
お前、ソイツどうするつもりなんだ」
「さァ…」
サンジは、シラを切るファイが手に持つ物を見つめた。
キラリと、男の眼球を貫かんばかりに構えられている針。
「殺すのか？
何故ルフィを眠らせた」
(麦わらのルフィ…！
眠らせただと？
な、まさか…!
あれしきの爆破でとんと追いかけてこなくなったと思えば…！コイツの仕業だったか！くそ、睡眠薬と言い完全に油断しちまった…!)
「…オレ疑われてるね」
「いいから説明しろ！」
「ジャマされたくなかったからだ。サンジ、オレ
手荒なことはゴメンだよ」
「マジで言ってんのかよ…？」
＊
数分前、
サンジは爆発音を聞きつけ、ルフィが破壊した山小屋の前に辿り着き、洞穴へ進んで行った。
しばらく走りそこにあったのは、
崩れた瓦礫、
瓦礫に埋もれて、
眠っている我らが船長。
「おいクソゴム！！！こんな時に鼻ちょうちん膨らましてる場合かァ！！！」
ガスッ！！
痛そうな音がするが、ルフィはふにゃふにゃしたままだ。
その時、ルフィの首元で何かがキラリと光った。
「コレは......針？」
ルフィの首元に刺さっている針を抜き取る。
おそらく、針に薬が盛られていたのだろう。
「ルフィはこの手の毒物なんかにゃ耐性があるはずなんだがな...!」
サンジは見聞色を使うと、さらに奥の方に気配を２つ捉えた。
「クソ！瓦礫で進めねぇか。なら近道だ！！！」
サンジはルフィを背負うと、天井めがけて足を振り上げ、穴をこじ開けたのだった。
＊
終わり
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作者名：renkon | 作成日時：2020年9月11日 0時
