うわべを切ること ページ13
＊
「誰だお前！」
「いやァ名乗るほどのモンでもねェよ。」
「そうか！おれもお前に興味ねェしな！」
そこでルフィは覇王色で威嚇するが、相手には通用しなかった。
相手を強敵だと悟ったルフィは、咄嗟に攻撃を仕掛ける事にしたが、敵はそうさせなかった。
いつの間にかファイを檻から出し、自分の盾にする様に構えたのだ。
「おめぇらの目的は分かってるさ、こいつの奪還だろう？？
だがそうさせるわけにゃいかねーよ！おれも首がかかってんのさ！」
「お前！ズリィじゃねーか！！ファイを盾にするな！！んで返せよ！！」
「話聞いてたかおめぇ！？」
そして敵はファイを担いだままさらに奥へ走り始めた。
「あっ！待てェェ！！！」
「そう言われて待つバカはいねェっての」
敵はニヤリと笑うと、片手に持っていたスイッチを押した。
その瞬間、耳が壊れるほどの爆発音が鳴り響き、先ほどまでいた場所は、瓦礫に埋もれてしまった。
「もうここはいらねェ。さっさと逃げさせてもらうぜ」
敵は全力で走り続ける。爆破箇所から奥へはずっと一本道が続いて行く。
敵はそこも念入りに爆破して道を閉ざして行った。
10分後、山のトンネルを走り抜け、敵とファイは海岸に出た。
もう島の最北端に辿り着いたのだ。
「よし、誰も来てないな…」
辺りを警戒して船に乗り思うとした時だった。
グサ
「うぎゃァァァァ！！！
クッソ！おめぇ、いつから起きていたァ！？」
敵は担いでいたファイを放り投げたが、ファイは綺麗に受け身を取りながら地面に着地した。
ファイの手には、針が握られている。
そして地面には、ファイが持つものと同じ針が敵の足ごと貫いて突き刺さっていた。
「『いつから』？オレは最初から起きてたよ。
君の雇い主から聞かされてなかったの？オレは睡眠薬の耐性が強すぎるから、あんな安っぽい薬じゃ効果無いんだって。」
「クソっ！おい！！殺気が無ェなんて聞いてねェぞ！！」
「君には聞きたい事がたーくさんあるんだ。
話してくれる？」
「ナメるな！俺ァそこいらの海賊供より腕っ節はある方だ！」
「だろうね、アハハ。だから連中に雇われてんでしょう？」
ファイは、男に近付いた。
「オレはサシは向いてないし、得意なのは闇討ちとか奇襲なんだけどね。
でも動けない人間を捌くのくらい、訳ないよ」
男は怒って拳を振り上げた。ファイは全て見切っているかの様にかわし続け、背後に回り込み両腕を背中でねじり上げ地面に伏せさせた。
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作者名：renkon | 作成日時：2020年9月11日 0時
