トラブル ページ2
＊
｢うわァァァ!!!バカ野郎ー!!｣
翌日のこと。船はゆっくりと歩みを進める中、ウソップの悲鳴が船中に響いた。
甲板で昼寝をしていたファイは、その悲鳴に目を覚ましてしまった。
なんだなんだと起きてみれば、同じく甲板に事の発端たちがいた。
｢どうしたの？｣
そう聞くと、ウソップは涙を流しながら説明を始めたのであった。
要約するとこうだ。
ウソップはサニー号の船首であるサニーの顔部分、少し色落ちしてしまった所を塗り直すべく、塗料を調合していたのだ。
そこにルフィが突っ込んでしまい、塗料がひっくり返ってしまった。
らしい。
ルフィ曰く、ウソップの背後の柵にとまったカモメを捕まえてサンジに調理して欲しかったらしく、あまり反省の色は見えなかった。
ルフィは青色のシャツを盛大に黄色にしてしまい、こちらはこちらで不貞腐れている。
お気に入りのシャツだったらしい。
｢…ウソップ、ご愁傷さま…だね｣
｢チキショウ……またとねぇ完璧なサニーの色だったのによ…｣
こだわり満載の黄色だったようで、ウソップは倒れてしまった。
｢よし、じゃあオレの出番だね！｣
沈み込む2人とは対照的に、張り切り出したファイ。
目の前に映るのは、黄色のペンキがぶち巻かれた甲板、そして真っ黄色の船長である。
｢ルフィ！一先ずそれ脱いで、オレがちゃんと落としてあげる｣
｢ほ、ほんとか〜！？｣
｢それからウソップ、黄色はまた頑張って作ろうよ、オレサンプル取っとくから｣
｢…ファイぃ…｣
そこからのファイは早かった。
フランキーから要らないかけ布を貰い、サンジから台所用洗剤を少し拝借し、自分のロッカーからスポンジと、掃除用歯ブラシ、桶、除光液に、ナミから貰った捨てる予定だったタオルを取り出した。
｢ウソップが作ったのは油性塗料だね。乾かないうちに落とさなきゃ。｣
とは言え、ファイのターゲットはルフィの服と床である。
｢ルフィ、ルフィは床頼むよ。
はいコレ。コレで汚れた床叩いて｣
渡したのは、除光液で湿ったタオルである。
｢コレで叩けばいいのか？｣
｢うん、床ぶち抜かないように力加減はしてね？｣
｢おう！｣
＊
｢…よし、こんなもんか｣
洗剤をつけたスポンジと歯ブラシを交互に使い分け、汚れを叩きまくった結果、ルフィの青シャツは綺麗に元通りになった。
＊
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作者名：renkon | 作成日時：2020年9月11日 0時
