事の始まり youside ページ3
父「ちょっといいか、話があるんだ。」
父に言われた時に、ピンときた。
母「・・・」
母は何も言わず俯いている。
タイムリミットが来た。
父「済まない、働きに出てくれ。」
やっぱり、言われると思った。
薄々気付いてはいた。
元々、貧乏な農家だったのに、今年は大凶作で
それに重ねて、米の値段も大下落した。
誰も口にしなかったけど、
多分もう、限界なんだと思う。
父「頼む、3年でもいいんだ。」
元々、自分は何をやらせてもそこそこだった。
必要とされてなかった。
兄も妹も、勉強も運動も出来、注目の的だったが
私は、いつもひっそりと生きてきた。
『分かった。何年でもいいよ。』
何とも思わなかった。
自分がいなくなった所で何も変わらないのだから。
むしろ、働いて全て忘れたい。
母「A、ごめんね。
本当は私だってこんな事したくないのよ。」
嘘だ。
涙だって出てないじゃない。
父「明日、お前が働く事になる店に
行くぞ。」
本当は早く私を家から追い出したいのかもしれない。
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作者名:ゴリゴジキング | 作成日時:2017年5月14日 1時