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じゃあね、と最後に残っていた子が手を振ってきた。勿論私も、負けじと振り返したりなんかして。静まり返った教室に、私と人使の二人っきりとなった。
「…あっという間だったな」
「うん。凄かったよね、最後の」
カラカラ、窓を開ける。下を見れば下校途中の生徒が結構居た。細やかに頬を撫でてきた風をぼんやり感じつつ、彼を見る。自身の机に腰掛け、頬杖付いていて。
「楽しかった？」
「あぁ、悔しいが8割」
「2割しかないじゃん」
「2割あるだけ良いだろ」
散々あった体育祭もお開きになって、私達は何となく移動しないで教室に居座ることとなった。ゆっくり下校しても、多分今日くらいは怒られないだろう。それに、まだちらほらと校内に人が居るのだ。早々何かを言われたりする事はないに等しい。
「…ね」
「ん」
外されていた視線が、合う。
「きっと人使の言う通りなんだと思う」
「心の何処かで、そんな気持ちがあった」
足を踏み出して彼の隣に座る。
「ヒーローが好きじゃないのも、目指している人が嫌いなのも本当」
「でもね、これは私自身も不思議なんだけど」
「人使は別なんだ」
──自分で言ってて恥ずかしくなってきた。
「や、ね。なんていうかさ、人使は個性の事で嫌な思いをして来てたわけでしょ、」
「それでも抉れないでヒーローを目指したのって」
「かっこいいな、とか、私ならそんなの絶対無理だ、し…」
私はアホなんじゃないか。段々恥ずかしさのあまり声が萎んでいってやがる、今大事な所だぞおい。あーあ、きっと顔も赤い。「お前なに恥ずかしがってんだ」とかって笑われるだろう。
「ああああああごめん！！キモいな！！何言ってんだろ！！」
あまりにも人使が何も言わないので、我慢出来なくなって叫ぶ。あはは、笑いながら彼を見れば
「キモくなんかないだろ」
真剣そのもので──真っ直ぐに私を見ていた。
「ありがとう」
「い、いや…その、」
「そっか…うん。ヒーロー嫌いか」
顔の前で手を組むと、また黙り込んでしまった。
「…人使？」
視線は明後日の方向を見ているし、私の問い掛けには何も返ってこない。
一体なんだと言うんだ。
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八百(プロフ) - すごく好きです！！続きめっちゃ気になります！！仲直りしてほしいけどもうそのまま行って欲しいって思ってしまう矛盾… (2019年3月21日 21時) (
レス) id: db047f61b6 (このIDを非表示/違反報告)
あお果実(プロフ) - とても面白いです！これからも応援してます(*´∀｀) (2019年3月6日 16時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - めずさん» つい笑ってしまいました、コメントありがとうございます！頑張ります (2018年11月23日 17時) (レス) id: 2c4514670e (このIDを非表示/違反報告)
めず - なんでお星様1回しか押せないの！！！って感じに好きです生き甲斐をありがとうございまｧｧｧ！！！！本当はお星様50回くらい押してるので評価の回数に+50しておいて下さい(応援してます頑張って下さい) (2018年11月23日 2時) (レス) id: 73450a1efe (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 谷崎さん» コメントありがとうございます！声をかけて下さっただけでとてもありがたいです…！ (2018年11月20日 0時) (レス) id: 2c4514670e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年10月3日 3時
