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会計を終わらせて人使の元へ向かう。彼はオールマイトが表紙の雑誌をペラペラ捲って──所謂立ち読み──眺めていた。
｢特集？｣
｢あぁ、オールマイト──ヒーロー科1年担当してるって｣
｢えっそうなん！？｣
｢明日にはマスコミが押し寄せるだろ｣
｢なんで知ってるの？｣
雑誌を元に戻した彼を見つつ言えば
｢ヒーロー科、居なかったろ入学式｣
なんて事無いかのように言う。
｢個性有りの体力テストしてたらしい｣
｢そうなんだ？｣
｢で、入学式終わって教室戻る時オールマイト見かけたから──先生達の会話盗み聞きした｣
｢うっわぁ！趣味悪ぅー｣
｢うるせぇ｣
軽く頭を叩かれた。
｢ここら辺よく来るのか｣
｢まぁね〜インドアと見せかけてアウトドアです、えへ｣
｢…｣
｢嘘ですごめん｣
軽口を叩きつつ笑うと、釣られたかのように人使も笑う。彼が笑うと少し、幼げな印象を覚えるけれど──言ったらなんか叩かれそうだと思って、口を噤んだ。
｢学校終わって寄り道って案外楽しいんだねぇ｣
｢あぁ。何気に初めてだぞ俺｣
｢え、ぼっち？｣
｢…殴るぞ｣
｢やだやだ。人使そんな暴力的なのぉ？｣
少し日が傾き暗くなり始めたのに、どうしてこんなにも気持ちは無駄に明るく元気なのだろう。私の気持ちだというのに微塵も理解は出来ないのだけれど、楽しいからいいかと考えを振り払う。
｢…お前さ｣
前を歩いていた私は、何か含みのある言い方に──つい足を止めて振り返った。言いにくそうな人使の顔が、視界一杯に広がる。
｢その｣
｢ん？｣
｢…他に友達作らねぇの？｣
｢は？｣
目を瞬かせた。
｢や、ほら…俺そんな明るいわけでもないし、印象悪くなるだろ｣
｢んあ〜？｣
｢別にその、無理して一緒に居なくてもいいっていうあれだよ｣
ちょっと寂しそうな表情が覗く。彼の言わんとしている事は、似たもの同士の私にだって分かるのだ。
｢まだ2日だ｣
｢は？｣
｢2日目！今はまだ、人使と一緒に馬鹿みたいな話して仲良くしたいよ｣
だってまだ一杯あるしね、そう言ったら小さく、そうか、と。
｢その後は私が決めるし、人使は心配しなくていいよ。なんなら人使のいい所広める？｣
｢…それだけはやめとけ｣
2人で傷ついた心を治療してるみたいだった。
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noise - 面白いですがもう少し文と文の間を開けた方が読みやすいですね、更新頑張ってください。 (2018年10月8日 3時) (
レス) id: c7ddf1a0db (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 志乃さん» コメントありがとうございます、応援嬉しいです…頑張っていきますね！ (2018年9月25日 2時) (レス) id: e7696dbe06 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 応援してます (2018年9月23日 8時) (レス) id: 9e6db2f27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年8月26日 1時
