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一抹の不安と、疑問を抱いたまま私は帰宅した。終始上の空だった私を、口では何やかんや言いつつ心配してくれていた人使には悪い事をしたと思うけれど、やはり私はそれどころでは無かったのだ。
ヒーローが好きなわけでもないし嫌いなわけでもない。世論から外れている意見なのは、重々分かっている事だ。でもだからと言って今日の様な、マスコミが中へ侵入してきた事柄を良いと肯定する事も出来ない。もしそれが、弔さんの手助けによるものだった場合。私は一体どうすれば良いのだろうか？警察に連絡？それは散々悩んだ結果、違ったら失礼だからと却下した。プロヒーローである先生達に相談？態々面倒な事に走るつもりもない、何なら私は弔さんへの感謝の意を踏みにじってしまうと却下。
それにまだ、確実に弔さんだと決定したわけではない。
(…私は、ヒーローが凄いとか、なりたいとか…そういう意見じゃないと肯定されない世の中が嫌なのであって…そういう犯罪行為は…)
向き合っている机の上には気休めと言わんばかりに、ノートと教科書が開いた状態で並べられている。のに1ミリたりとも読まれたり、また書き込まれたりはしないのだ。他の事で気を逸らそう、そう考えたのにこのザマである。
弔さんに聞いてみたい気持ちが迅る。しかし、残念ながら今現在の私は弔さんが何処の誰なのかは愚か連絡先なんぞ知らない。この意味不明な気持ち悪い感情を持て余し、あまつさえ自分の中で消化しなければならなかった。そりゃあもう言わずもがな、勉強どころではない。気分転換に何かしなければ、自身が何か分からない物に押しつぶされそうで我慢がならなかった。
「お母さん、ちょっとコンビニ行ってくる」
思い立ったら即行動、リビングでテレビを眺めていた母に言う。
「8時よ？ついて行かなくて平気？」
「大丈夫。近くだし」
「それじゃあついでに牛乳買っといてね！気をつけて」
母の見送りを尻目に外へ出た。いつの間にか雨が降っていた様で、玄関先から傘を取り出して歩き出す。春先とはいえ、夜でしかも雨。少し肌寒いと感じる夜道は何処か不気味だ。
「おいおい、お嬢さん。こんな夜道で1人散歩？感心しないね」
背後から、聞こえる。
「え？」
慌てて振り返って、
「あ…」
小さくこぼされた言葉は雨と共に溶けていった。
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noise - 面白いですがもう少し文と文の間を開けた方が読みやすいですね、更新頑張ってください。 (2018年10月8日 3時) (
レス) id: c7ddf1a0db (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 志乃さん» コメントありがとうございます、応援嬉しいです…頑張っていきますね！ (2018年9月25日 2時) (レス) id: e7696dbe06 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 応援してます (2018年9月23日 8時) (レス) id: 9e6db2f27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年8月26日 1時
