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「まさか、あの娘が好きだとか言い出しませんよね」
俺を迎えに来た黒霧は、規則正しい呼吸を繰り返しながら警戒心皆無と言わざるを得ない──寝顔を晒すAを見下ろして言った。その表情は完全に読み取れないにせよ、不服なのに変わりはないのだろう。
「そのまさかだよ」
「あぁ…もう。勘弁してください…死柄木弔、貴方はやらねばならない事があるでしょう？それを」
「お前はいつ俺の保護者になった」
その先を言わせる前に睨みつける。ぐっと押し黙った黒霧に続けて言うが、
「俺がどうしようが、計画に狂いはない。お前に関係ない、そうだろ？」
「…そうとも言い切れませんよ。もし、その娘が引き金となって失敗…徒労に終わったらどうするんですか」
納得はいかないらしい。
「はいはい、分かった分かった。なら──
「何を…！」
「此奴はヒーローを目指してるわけじゃない。寧ろ憎んでいる方に近いだろ、一押しすれば仲間になる可能性はある」
「いい加減にしてください。私達のリーダーである貴方がそんなでは今後が不安…というか困ります。恋は盲目という言葉があるでしょう、第1彼女の何処に惚れたというんですか。何処をどうとっても貴方が最も嫌う餓鬼みたいなものですよ！」
心底慌てた様子で畳み掛けてくるので、溜息を零す。言う事にも一理あるし理解出来ないわけではない。だが──…
「ヒーローになりたいわけじゃないって此奴はハッキリ言ったんだ」
「…は？」
「誰もが口を開けばヒーローになるだのオールマイトだの、心底虫唾が走る言葉ばかり並べやがる！なのに此奴は違った」
此奴は物怖じする様子もなく、俺を真っ直ぐ見て声を掛けてきた、平日の朝、何をするわけでもなく唯立っていた俺に。普通変だと思っても声なんてかけないし、スルーする筈なのにだ。先生以外で初めてだった、畏怖の念を感じない視線を注がれたのは。
「今日それが確信になったんだよ、同類だってな。俺と一緒なんだ」
純粋に嬉しかった。それが、どんなに羨んでも手に入れられなかったものだからこそ。
「…一目惚れってやつですか」
「有り体に言えばな。俺はその言葉大嫌いだが」
一目見て同類だと思った。初めて真っ直ぐに見てもらった。普通の人間の様に接して、話してくれた。それだけで理由なんて十分すぎるだろう。
全てを察した黒霧は、深い溜息を零すのだ。
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noise - 面白いですがもう少し文と文の間を開けた方が読みやすいですね、更新頑張ってください。 (2018年10月8日 3時) (
レス) id: c7ddf1a0db (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 志乃さん» コメントありがとうございます、応援嬉しいです…頑張っていきますね！ (2018年9月25日 2時) (レス) id: e7696dbe06 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 応援してます (2018年9月23日 8時) (レス) id: 9e6db2f27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年8月26日 1時
