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慌てて商品を適当に置き、本屋を出た。左右を見渡して探したけれど──死柄木弔が見つかる事はなかった。
別に探してどうこうしたいとかそういう訳でない。けれど何となく、あのままにしてはいけないのかもしれないと思ってしまって、だから追い掛けてしまった。冷静に考えてみれば今日出会ったばかりで、実質数時間しか経っていないのだ──私が探して声を掛けるだなんて筋違いにも程がある。今後も会うとは限りもないし、死柄木弔の事情も、どんな奴かも知らない。
(…アホらし)
溜息を零して、帰路へとついた。
｢ただいま｣
｢おかえり、本屋に行ったんじゃないの？｣
｢え？｣
そう言えばと、思い出したけれど──もう一度本屋へ足を向けるのも面倒だし、なんなら変に思われてしまうだろうから私は適当に
｢…欲しかったものが見つからなくて｣
と返す事にした。
｢あらそうなの。お昼もう少しで出来るわよ｣
｢うん｣
自分の部屋に戻りながら、ポッケに入っていた携帯を取り出して開く。知らぬ間に人使から連絡が入っていた様だ。
心操今暇?
まるで分かっていたかの様なメッセージで、つい笑ってしまう。けれど、自分の中でさっきの出来事が上手く処理が出来ず──メッセージのやり取りを出来る気分ではなかった。
(いやでも…もしかしたら友達になれるかも…っていうかそうかもしれないし…初日で無視は…駄目な気が…)
申し訳ない気分で、メッセージと睨めっこをする。部屋の扉を後ろ手で閉めながら、数秒考えた末に返答する事にした。
心操入学式の日って早く帰るから暇になるよな
Aそれは確かに
心操昼食った?
Aこれからこれから。人使はまだなの?
心操ん
A1人なん?
心操あぁ。でも作るのがダルい
A面倒くさがりかよ
A私も一緒だけどね。仲間じゃん
…軽々しく仲間じゃんとか言ってしまったけれど、これは大丈夫なのだろうか。半日も一緒に居たわけでは無いから人使の人柄がイマイチ掴めていない証拠だ。気を悪くさせてしまったら申し訳ないなぁと携帯の前で頭を下げる。
(申し訳ねぇ)
届くわけはないのだが。
｢Aー！ご飯出来たよ！｣
｢…はーい｣
丁度声が掛かったので──携帯をベッドへ放り投げてリビングへ向かった。
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noise - 面白いですがもう少し文と文の間を開けた方が読みやすいですね、更新頑張ってください。 (2018年10月8日 3時) (
レス) id: c7ddf1a0db (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 志乃さん» コメントありがとうございます、応援嬉しいです…頑張っていきますね！ (2018年9月25日 2時) (レス) id: e7696dbe06 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 応援してます (2018年9月23日 8時) (レス) id: 9e6db2f27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年8月26日 1時
