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暫く黙っていた人使は、不機嫌な声を隠しもせずに言う。
「…今のヒーロー科だろ」
「通りがかったみたい。保健室に入ってったみたいだし、そこに用事でもあったんじゃない？」
まただ。人使の目は嫌悪に染まっている。
「ちょっと困ったから助かったんだ」
笑顔で言ったけれど、人使はこっちを見ない。人使から話してくれるまでは、と深くは聞いていないけれど──ヒーローになりたいと言っていた彼の表情を見れば、自ずと分かるもので。
「そんなに嫌？」
「は？何が」
「ヒーロー科」
私達の使っている教室の手前で、人使と向かい合う。顔を覗き込めば、さっきよりかはマシになったが──やはり機嫌は悪い。彼は表情に出易いんだろう、隠す気もなさそうだ。
「…嫌いじゃない」
「ただ、あの場に居れないのが…俺は嫌なんだ」
視線を逸らす。
「前、人様に自慢出来るもんじゃねぇって言ったの覚えてるか」
「あ…うん、勿論」
ポッケに手を突っ込んだまま、さっさと歩いて行くので──教室に入るのかと思えば通り過ぎていく。慌ててその後ろを付いて行くと、そのまま人気のない場所まで移動した。彼はまた私に向き直りはしたものの、視線が合う事は無かった。
「大抵俺が個性を話すと、その後の反応が変わる。仕方ないとは分かってても、俺は自分の個性が嫌になる」
「だから…人様に自慢出来ないって？」
「あぁ。皆口を揃えて言う…�牋�い事し放題じゃん、操ったりしないでよ�瓩辰討福�
体育祭も直ぐにあるし、お前にならと思って──…。彼はそう零す。
「お前の個性がどんなかは知らないが、
彼も同じなのか。人には言えなくて、でもそれを肯定して欲しくて、どうしようもなく苦しい想い。
弔さんを思い浮かべる。否定より、肯定の意が強かった。上辺だけじゃなくて心の底から同意していてくれたのだ──それに私は救われた。誰かに救って貰えたこの気持ちが、どれだけ楽になるのか私には分かる。ただ、彼の満足がいく反応を与えられるかどうかで。
「…正直…正直だよ？もしこれで、私と人使が仲良く出来なくなるなら──聞きたくない…かなぁ…？人使に私がどう見えてるかは分からないけど、そんな凄い奴じゃないよ」
「…別に凄い奴とは言ってないけどな？」
「ニュアンス的に！そう！聞こえるじゃんか！」
眉間に寄っていた皺が弱まって、代わりに彼は吹き出した。
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noise - 面白いですがもう少し文と文の間を開けた方が読みやすいですね、更新頑張ってください。 (2018年10月8日 3時) (
レス) id: c7ddf1a0db (このIDを非表示/違反報告)
ゴリラ満開(プロフ) - 志乃さん» コメントありがとうございます、応援嬉しいです…頑張っていきますね！ (2018年9月25日 2時) (レス) id: e7696dbe06 (このIDを非表示/違反報告)
志乃(プロフ) - 応援してます (2018年9月23日 8時) (レス) id: 9e6db2f27b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴリラ満開 | 作成日時：2018年8月26日 1時
