L O V E . ＃ 2

I'm just in love 4. ページ8

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目には見えないけど、
はっきりと少しずつ着実に
胸の奥に募っていく気持ち。


それはまるで時限爆弾のように、
じわりじわりと
その爆発の時が近いと知らせる。


しかしその傍らで、そんな筈はない。
と、往生際悪く平静を装い時を刻み続ける胸。


俺一人、胸の中で
無意味にすら思える葛藤が続く。



｢…………。｣
(完璧、予想外や)



タイプとは真逆。
そんな彼女を好きになったかもしれない。


なんて、自分自身でも笑ってしまうような
この現状に苦笑いが溢れて
彼女から視線を逸らせば、



｢何、笑ってるの？｣


｢人の顔見て笑わないでよ…｣


｢二日酔いで酷い顔だって｣


｢自分が一番分かってるんだから…｣



小さな声でぶつぶつと
そんな独り言をぼやきながら
両手で顔を覆った彼女が見せた恥じらいの仕草


ふと顔を近付けて覗き込めば、
確かにお世辞でも言えない程に
げっそりした表情が視界に映る。



｢…っ、あはは！｣
(確かに)



酔っ払った末に二日酔いなんて、
ますます色気無い彼女らしい結末。


思わず耐えきれず口に出して笑えば、
彼女はすぐさまムッとした表情をしたけれど…



｢…っ、だから笑わないでってば！｣



そう怒鳴ったくせに
何故か俺につられて恥じらいながらも
笑みを溢す。


そんな他愛の無いやり取りが
何故だかとても心地よく感じて…


もしかしたら
彼女を見る俺のファインダーは
狂ってしまったのかもしれない。


こんなだらしない二日酔いの彼女ですらも、
愛しいとさえ感じて確信する。
俺は彼女が好きなんや、って。



｢…………っ、｣
(もう誤魔化せへん)



時を経て、
ついに爆発した時限爆弾。


色気が無い、変な女、と
散々吐き捨てたくせに
そこが気になって思わず開いたパンドラの箱。


まんまとメンバー達の思惑に
はまってしまったのが悔しいけれど、
気付いてしまったもんは仕方ない。




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