Step up 9. ページ34
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まだ聞くタイミングじゃなかったかも、
なんて後悔が今更に俺の頭に浮かんで
顔を顰めれば、
｢何、って…｣
｢まだ知り合ったばかりだし…｣
｢うまく言えないけど…｣
小さな声でそう切り出した彼女に
顔を上げ、再び視界に捉えると
そこまで言ってしばらく黙り込んだ彼女が
大きく深呼吸をして一度ぎゅっと目を閉じる
そうして、
俺を見据えてこう言った…
｢ただのお隣さんとかじゃなくて、｣
｢きちんと向き合いたいとは思ってる｣
｢とりあえず、今言えるのは」
｢最初よりは嫌いじゃないかな、って…」
｢……………。｣
(”最初より”、は余計やろ)
赤い顔をして照れてるくせに、
にやりと笑って
最後にしっかりと悪態を吐いてくるあたりが、
やっぱり彼女らしい。
まぁ、最後の一言に
若干引っかかるところはあるけど
今の俺の状況としては
そう悪くは無いんだと分かって
少しホッとする。
静かに息を吐いて笑いながら
少し嫌味を返してみる。
｢てことは俺の事、最初は嫌いやったんや｣
｢へぇー｣
(別に、分かってたけどな)
俺だって、最初は彼女が嫌いだった。
いつも苛々していたし、
会えば嫌味ばかり言われるし
だから今更、彼女がそんな事を言ったって
特に驚きもなかった。
だけど、はっきりと口に出して言った彼女へ
少し嫌がらせをしてやろうと目を細めて
じろりと視線を向けてにやりと笑うと、
彼女は慌てて
｢や、あの、そうじゃなくって…｣
とか、否定しながら言葉を探していた。
だけど、次第に言葉に詰まって
黙りこんでしまった彼女は
自分の言った台詞に後悔しているのか
大きく溜め息を吐くと
髪を掻き上げ、苦笑いで反論した。
｢だって、それは、お互いさまでしょ？｣
｢私の事、散々言ってたくせに…！｣
そうして、じっと俺を見てから笑いだした彼女
確かに言われてみれば
さっき俺も同じ事を思っていて、
｢それもそうやな、あはは！｣
(確かに当たってる)
俺達はどこか似ているかもしれない
なんて思えたんだ。
L O V E.
Story 18 Step up.
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やよい
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りょう(プロフ) - 自分の読解力の無さの問題なのにコメントしていまいすみません。でもやよいさんの書く小説楽しみにしてるのでこれからも読ませていただきますね！ (2020年3月22日 2時) (
レス) id: 3ca46d0dcb (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - りょうさん» ご意見、ありがとうございます。なるべく分かりやすく文面には表記させてたんですが、確かに少し分かりにくい所もあるかと思うので極力改善させて頂きますね！ (2020年3月21日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 台詞前に人物名を入れてもらえれば嬉しいです！！読んでいてとても楽しいです、これからも頑張って下さい。応援しています！ (2020年3月20日 19時) (レス) id: 3ca46d0dcb (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - AYaさん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、待っててくださいね(>_<) (2020年3月20日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ほくみなさん» 嬉しい感想くださってありがとうございます！壱馬くんと隼人、これからもバチバチなので楽しみにしててください。笑 宜しくお願いします！ (2020年3月20日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月17日 23時
