First time 4. ページ24
.
どこか卑屈になってしまう自分は
本当に可愛げのない女だと思うと、
たかがLINE一つ来たくらいで
ここまで必死になっている自分に溜息が漏れた
だけど、本当はこんなに気になって仕方ない。
ただの気まぐれでも、何でも良い。
本当は１週間、スマホを肌身離さず持ち歩いて
鳴らない事に苛立ちすら感じていたんだから…
｢………っ、｣
(とりあえず返事しなきゃ)
いくら仕事中だとは言っても、
今ここで返事をしなければ
今日はしばらく帰れそうもない。
きっと返事が遅くなれば
彼はもう二度と連絡をくれないかもしれないし
もしかしたら
また喧嘩になってしまう事だって想像が付く。
そんなまわりくどい理由を付けながら、
ようやくメール表示のボタンに手をかける。
すると、
壱馬今日の夜、コンビニで待ってる
｢え？｣
(それだけ…！？)
意を決して開いた画面に表示されたのは
思わず目を疑ってしまうほどの
シンプルなメッセージ。
しかも、一体何時なのかも分からない曖昧さを
兼ね備えたその内容に
何だか期待外れ、とはいかないけれど
少しがっくりと項垂れてしまう自分が居た。
彼の言うコンビニとは、
恐らく以前鉢合わせたあのコンビニの事だと
すぐに分かった。
だけど、これに対しての返事が
全く思い浮かばない。
｢もうちょっと、分かりやすい内容にしてよ｣
(何か期待して損した！)
思わず、膨れっ面でLINEの画面に向かって
悪態を吐いてしまった。
期待なんてしていないつもりでも、
本音では色々と想像していた自分に
無性に腹が立った。
だから、期待なんてしちゃいけない
って、言ったのに…
と、頭の中で突っ込みを入れ溜息を吐く。
一人で浮かれて馬鹿みたいだと思うと、
何だか本当に虚しくなって気付く。
彼にとって私はたかがお隣さんで
それ以上でも以下でも無いし、
たまにコンビニで顔を会わせて
挨拶をするくらいにしか
感じていないんだ、って事__
｢本当、馬鹿みたい｣
(だったらあんなに嬉しそうな顔しないでよ！)
連絡先を交換したあの日の彼が見せた表情が
忘れられなくて、この１週間という日々を
どんな思いで私が過ごしたと思ってるの？
なんて、
明らかに矛先の違う苛立ちをぶつけてしまった
だけど、たった数文字のLINEですら
愛しいと感じてしまうなんて
私はもう感覚がすっかり
麻痺してしまっているのかもしれない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 953人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「THERAMPAGE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りょう(プロフ) - 自分の読解力の無さの問題なのにコメントしていまいすみません。でもやよいさんの書く小説楽しみにしてるのでこれからも読ませていただきますね！ (2020年3月22日 2時) (
レス) id: 3ca46d0dcb (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - りょうさん» ご意見、ありがとうございます。なるべく分かりやすく文面には表記させてたんですが、確かに少し分かりにくい所もあるかと思うので極力改善させて頂きますね！ (2020年3月21日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 台詞前に人物名を入れてもらえれば嬉しいです！！読んでいてとても楽しいです、これからも頑張って下さい。応援しています！ (2020年3月20日 19時) (レス) id: 3ca46d0dcb (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - AYaさん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、待っててくださいね(>_<) (2020年3月20日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ほくみなさん» 嬉しい感想くださってありがとうございます！壱馬くんと隼人、これからもバチバチなので楽しみにしててください。笑 宜しくお願いします！ (2020年3月20日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月17日 23時
