I can't breath 2. ページ11
.
｢彼氏…｣
｢え…？｣
ようやく口を開いたと思えば、
声が小さすぎてよく聞き取れなくて
慌てて聞き返す。
すると彼はムッとした表情を浮かべて
怒鳴った。
｢だから、彼氏居ったんやなって言うてるやろ！｣
｢何回も言わせんなよ…｣
最後だけ疲れたような表情でぽつり呟いて…
突然、予測もしなかった言葉が
耳に飛び込んできて私は目を丸くした。
私に、彼氏…？
一体どこで仕入れた情報なのか
分からないけれど、
とりあえず彼の質問に対する答えは"NO"だ。
｢私、彼氏居ないけど…？｣
｢は…？｣
｢や、だから居ないけどって…｣
｢何回も言わせないでよ｣
言ってるこっちが段々恥ずかしくなる。
何故こんなに堂々と
彼氏が居ない宣言をしないといけないの…
大体、何でそんな事聞く必要があるの？
私なんて興味も無いくせに…
なんて、頭の中で悪態を吐いて彼を少し睨む。
すると彼は少し拍子抜けしたような顔をして
そのまま黙り込む。
｢……………。｣
｢……？｣
(何なのよ、一体)
顔を背けた彼は何も言わないまま、
少しホッとしたように溜め息を吐く。
そんな態度をされたら
ますます意味が分からない…
どうしてそんな表情をするの？
｢ねぇ、聞きたい事って…｣
｢私に彼氏が居るかどうかって、それだけ？｣
思わずそう問いかけた。
別にその先の答えを期待した訳じゃない。
間違っても彼が私に対して
好意があるなんて思わない。
だけど、そんな表情されたら
こっちだって気になって仕方ない。
｢それだけ、って…｣
｢………っ！｣
(あ、まずい)
私が突然発した台詞に対し、
答えに困ったのか苦悶の表情を浮かべた彼。
ようやくまともに会話出来るようになったんだ
またこんなくだらない事で揉めたくない。
あぁ、やっぱり言わなきゃ良かった…
そう後悔して、私は慌てて言葉を繋いだ。
｢ごめん、変な意味じゃ無くって…｣
｢や、やっぱり今の忘れて｣
少し必死になりすぎただろうか。
言ってから自分の言葉が
また変な誤解を生みそうな気がして
慌てて取り消した台詞。
｢……………。｣
(何を期待したのよ、馬鹿)
さっきの言い方じゃ
まるで私が彼の気持ちを
知りたくて仕方ないみたいに
聞こえてもおかしくない。
その先を期待したみたいに詮索するなんて、
我ながら恥ずかしい事をした。
俯いて重い溜め息を吐くと、
黙り込んでいた彼が再び私の腕を掴んだ
.
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りょう(プロフ) - 自分の読解力の無さの問題なのにコメントしていまいすみません。でもやよいさんの書く小説楽しみにしてるのでこれからも読ませていただきますね！ (2020年3月22日 2時) (
レス) id: 3ca46d0dcb (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - りょうさん» ご意見、ありがとうございます。なるべく分かりやすく文面には表記させてたんですが、確かに少し分かりにくい所もあるかと思うので極力改善させて頂きますね！ (2020年3月21日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
りょう(プロフ) - 台詞前に人物名を入れてもらえれば嬉しいです！！読んでいてとても楽しいです、これからも頑張って下さい。応援しています！ (2020年3月20日 19時) (レス) id: 3ca46d0dcb (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - AYaさん» ありがとうございます！頑張って更新しますので、待っててくださいね(>_<) (2020年3月20日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ほくみなさん» 嬉しい感想くださってありがとうございます！壱馬くんと隼人、これからもバチバチなので楽しみにしててください。笑 宜しくお願いします！ (2020年3月20日 9時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月17日 23時
