L O V E . ＃ 2

First time 2. ページ22

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やっぱり憎めないな、
なんて頭の中で感じながら
私はオフィスまでの道のりを
二人で世間話をして歩いた。



｢………あ、｣
(そういえば、LINEまだ見てなかった)



オフィスに戻って
席に座ろうと椅子を引いた時に
ふと思い出したのは後輩にバレるのを恐れて
ポケットに突っこんだままのスマホの存在。


だけど、今ここで見ているのがバレれば
さっきひた隠しにした意味が無い。


それでも、
やっぱり気になるのはその内容。


だって、あの彼が私にLINEなんて
本当にどんな風の吹き回しだろう？



｢………っ！｣
(駄目だ、気になって仕事どころじゃない)



椅子を引きかけたその手を止めて、
そのまま今来た道を戻ろうとした私を見て
後輩は不思議そうな顔をして
すぐさま呼びとめた。



｢ナナさん、どうかしたんですか？｣


｢えっ、あ！｣


｢えっと、その、ちょっとトイレに｣


｢さっき行きそびれちゃったから行ってくる！｣



我ながら、また嘘くさい台詞だと
思ったけれど今更もう撤回は出来ない。


冷や汗が額にじんわり滲み、
眉間に皺を寄せながら彼女の出方を伺う。


すると、
彼女はさして気にするでもなく



｢ああ、分かりました！｣



と、明るい笑顔を見せて言った。
どうやらさっきのLINEの事は
もう忘れている様子で、
そのまま私にすり寄ってくると小さな声で
私にだけ聞こえるように耳打ちした。



｢それより、ナナさん、時間！｣


｢海外からしばらく視察に来るっていう｣


｢噂のエリート社員…！」


｢え、ああ…！｣
(しまった、今日だったっけ！？)



確か、もうすぐ来るんじゃなかったですか？
そう、告げられハッとした。


そういえば、課長から
そんな話をされていたのを
すっかりと忘れていた事に今さら気付いた。


確か、本社からの連絡によれば、
日本支社の営業成績があまり芳しくないので
一度海外勤務の社員が視察をして
業務の見直しを図る。

とか、何とか言っていた気がする。
一体誰が視察に来るのかまでは聞いてないけどおそらく同期入社のメンツの誰かには
間違いなさそうだった。


そうと分かれば、こうしては居られない。
早くトイレに行って
LINEの用件だけでも確認しないと…




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