Lucky or unlucky 3 ? ページ9
.
｢はぁ……｣
ベランダの手すりに手を置いて
そこに顔を乗せ、ぼんやりと空を眺めてみれば
雲一つない綺麗な夜空に
しんみりした気持ちになる。
そんな時、だった___
何気なく視線を落として
隣のベランダを覗き込んだ瞬間、
「………あ｣
『げ゛っ！』
同時に発せられた声。
それは、間違いなく先程のあの失礼な女。
｢また、あんたか…｣
思わず溜め息混じりに
口から出たのはそんな台詞。
すると、
向こうも負けじと
すかさず___
『いや、それ、こっちの台詞だし』
なんて、また強気な口調で返されてしまった。
とことん負けず嫌いらしい隣の住人は、
瓶ビールを片手に
面倒くさそうに顔を歪めていた。
｢まだ、怒ってんのや｣
｢結構根に持つタイプやな｣
｢あんた、男おらんやろ｣
立て続けに仕返してにやりと笑って見せれば、
彼女は目を細めて俺を見つめた後
小さく息を吐いて呆れ気味に一言。
『そっちこそ、』
『しっかり根に持ってるじゃん』
『本当、生意気…』
一応、これでも君より年上のはずなんだけど…。
と、付け足して、やんわりと笑った。
どうやら、完璧に俺を年下扱いする事で
優位に立ったつもりらしい。
最初に会った時よりもどこか余裕を感じる。
｢やっぱ…｣
｢変な女やな｣
ぽつり、また同じ台詞を呟いた俺に
彼女は少しムッとしたのか…
『そっちよりマシでしょ、』
『勘違いしてたくせに』
「………っ、｣
(確かに)
勘違い、図星を突かれて
少し顔を歪めた俺に対して
彼女は表情を崩してふっ、と微笑んだ。
「……何？｣
『別に？』
突然、笑いだしたくせに理由も言わず
今度はにやりと笑う。
ころころと変わるその表情に翻弄され、
彼女にペースを乱される。
｢なぁ、お姉さん、名前は？｣
ずっと隣に住んでいたのに、
顔も名前も今日まで知らなかった。
それは、きっと
俺と彼女の生活のリズムが違うからで
もしかしたらこのまま今日が終われば
また偶然会うことも無いのかもしれない。
だけど、ただ単純に彼女の名前くらい
知っておいて損はない。
そんな、ただの好奇心で問いかけた俺に
彼女はまた呆れ気味に一言…
『ねぇ、その前に言うことあるんじゃない？』
少し冷たい口調でつん、とした表情を見せて
俺から視線を逸らす。
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やよい(プロフ) - ryoさん» こんばんは、コメントありがとうございました！何だかすごく褒めて頂き光栄です(>_<)ありがとうございます、嬉しいです。これからも更新頑張りますのでよろしくお願い致します！ (2020年3月17日 23時) (
レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - ちなつさん» コメントありがとうございます！すごく昔に書いたお話のリメイクなので自信無かったんですが、気に入ってくださって嬉しいです(^^)実は、私もちなつさんのお話私読みに行かせてもらってます。笑 なのですごく嬉しいです！ありがとうございます！ (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
やよい(プロフ) - まりさん» コメントありがとうございます！一気読み、是非ともしてもらいたい。笑 なので私も更新頑張りますね(^-^) (2020年3月17日 23時) (レス) id: d2cb7d4c05 (このIDを非表示/違反報告)
ryo(プロフ) - 初コメ失礼します。とても素敵なお話で、とても楽しみに読んでいます。ちゃんとした小説を読んでいるようで文章力の高さに感心致しました。これからも素敵なお話沢山作って頂けると嬉しいです！ (2020年3月17日 19時) (レス) id: cb9873671c (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - めっちゃ面白いです！この作品大好きです！ (2020年3月17日 0時) (レス) id: e54f0cecc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やよい
| 作成日時：2020年3月16日 16時
